その二人乗り、法律違反になってませんか?
バイクでの二人乗りには法律で制限がかけられています。制限が解除されてないままやってしまうと、違反行為として罰せられるので注意が必要です。
「バイク二人乗りはいつからできるの?」
「高速道路と一般道で二人乗りの制限に違いはあるの?」
あなたのこうしたお悩みを解決します。
この記事の内容
2023年1月時点の最新法令をもとに、二人乗りと高速道路運転ができる条件について解説します。一般道と高速道路で制限内容が違い混乱しやすいので、免許取り立ての初心者ライダーにもわかりやすく説明しますよ。
この記事の信頼性
この記事を書いている僕は、バイク歴10年超のライダーです。これまでに原付→普通二輪→大型二輪とステップアップしてきて、免許制度の詳しい知識を身につけました。
正しい知識が得られ、安心して二人乗りができるようになるので、ぜひ最後まで読んでみてください。
バイクの二人乗りはいつから?
実は、一般道と高速道路で二人乗りする場合の制限内容が違います。
高速道路は通算3年以上、一般道は通算1年以上の期間が必要ですが、それ以外にもいくつか条件があります。
まず高速道路での制限について紹介した後に、一般道での制限についても紹介します。細かいことは抜きで結論だけ読みたい人は、比較表まで一気にジャンプ可能です。
高速道路での二人乗りに必要な3つの条件
高速道路での二人乗りに関する制限内容は、次のとおりです。
- 排気量125cc超のバイクで乗車定員2名であること
- 年齢が20歳以上であること
- 普通二輪または大型二輪免許取得後の期間が通算3年以上であること
以上の3つの条件を満たしていれば、高速道路での二人乗りが可能です。
①必要なバイク
まず前提として、高速道路に乗れる125cc超のバイクが必要です。当然、座席の後ろにタンデムシートがついていて乗車定員2名であることも必要。車検証を見て、愛車の乗車定員を確認しましょう。
②年齢制限
後述の一般道とは違い、20歳以上の年齢制限が設けられています。普通二輪は16歳から取得可能ですが、仮に16歳で取得したとしても20歳まで待つ必要があるということですね。
ちなみに、同乗者に年齢制限はないので、後ろのシートに乗る人は20歳未満でも問題ありません。免許を持っていなくても構いません。
③通算期間
普通二輪または大型二輪免許取得後の有効期間が通算3年以上必要です。免許証を見て、記載されている「取得年月日」から現在まで3年経過しているかどうかで確認しましょう。
結論 高速道路での二人乗りは、20歳以上で免許有効期間が通算3年となった日に解禁されます。
参考:高速道路での一人乗りに条件はある?
参考までに、高速道路での一人乗りについても必要な条件を紹介しておきます。
必要な免許とバイク
普通二輪免許を持っていて、排気量125cc超のバイクでないと、一人乗りですら高速道路に乗れません。まずは必要な免許とバイクを持っていることが前提です。
免許と排気量の関係等がよくわからない人は、次の関連記事が参考になります。
高速道路にはいつから乗れる?
逆に言えば、この条件さえ満たしていれば、一人乗りに限ってですが、免許取得したその日からすぐに高速道路に乗れます。
以上、高速道路での二人乗りと一人乗りに関してお伝えしました。次に、一般道での二人乗りについても解説します。
一般道の二人乗りに必要な2つの条件
一般道で二人乗りするための条件は、次のとおりです。
- 排気量50cc超のバイクで乗車定員2名であること
- 小型・普通・大型二輪いずれかの免許取得後の期間が通算1年以上であること
以上の2つの条件を満たしていれば、一般道での二人乗りが可能です。
①必要なバイク
まず前提として、50cc超で乗車定員2名のバイクが必要です。乗車定員は車検証を確認可。
高速道路は125cc超のバイクでないと乗れませんが、一般道だけを走るなら50cc超のバイクでも二人乗りが許されています。
②通算期間
小型二輪・普通二輪・大型二輪免許取得後の期間が通算1年以上必要です。免許証の取得年月日を見て確認可。
結論 一般道での二人乗りは、免許有効期間が通算1年となった日に解禁されます。
以上、高速道路と一般道での二人乗りに関する制限内容を解説しました。
二人乗りに関する法令等
ここまで、高速道路と一般道の二人乗り規制に関してお伝えしてきましたが、少し複雑なので簡単にわかるようにまとめてみます。
制限内容の比較表
それぞれの制限内容の違いを、比較しておきましょう。
項目 | 高速道路 二人乗り | 一般道 二人乗り |
---|---|---|
排気量 | 125cc超 | 50cc超 |
乗車定員 | 2名 | 2名 |
年齢制限 | 20歳以上 | - |
免許取得後の期間 | 通算3年以上 | 通算1年以上 |
同乗者の条件(子供もOK?)
前述のとおり、同乗者の運転免許の有無や年齢は問われません。つまり、法律上は0歳児だって問題ないはずです。しかし実際には、乳幼児を乗せるのは事実上不可能です。
なぜかというと、法律では次の2つが制限されているからです。
- 同乗者にも2輪用のヘルメット装着義務があること
- 同乗者の足がタンデムステップに届く必要があること
これらを考慮すると、現実的には小学生以上の子どもが二人乗りOKの対象になってくるのではないでしょうか。
また、スクーターで子どもを運転者の前に乗せたり、背中におぶって乗せることは不可です。同乗者は、後ろのタンデムシートの上に正しく乗る必要があります。
違反時の罰則等
上記の二人乗りに関する制限ですが、仮に違反してしまった場合、違反点数と反則金は以下の通りです。一般道と高速道路どちらも共通です。
違反点数 | 反則金 |
---|---|
2点 | 12,000円 |
悪意があって違反した場合はもちろん、知らずにやってしまった場合も違反になるので、十分注意してくださいね。
豆知識
ちなみに、「一般道と高速道路でなぜ免許取得後の必要期間が違うのか」と疑問に感じませんでしたか? そう思った人は、教習所で習った以下の内容を思い出してみてください。
もう説明不要ですよね。一般道と違い、高速走行では運転者にそれなりの技量が求められます。法律としては、一応それが身につくのが3年と区切っているようですね。
個人的には、通算期間で一括りにしてしまうのは少々硬直的だとは思いますが、現行の法律ではこうなっているので仕方ないですね…。
参考:首都高速のバイク二人乗り禁止エリア
最後に、どんなライダーであっても高速道路での二人乗りが認められていない場合を紹介します。
それは、首都高速の「都心環状線」と「それに接続する各路線」のエリア内を走る場合です。詳しくは、以下の図で確認してください。赤くなっているところが禁止エリアですね。
関東圏のライダーであればよく知っている人もいるかと思いますが、それ以外の地域の人には意外と知られてなかったりします。タンデムツーリングで首都高速を走る場合は、十分注意が必要です。
もっと具体的に規制区間を知りたい人は、以下をクリックまたはタップすると、詳細情報が見れますよ。
路線名 | 規制区間 | |
---|---|---|
都心環状線 | 全線 | |
高速1号羽田線 | 上り線:芝浦出口から都心環状線接続まで 下り線:都心環状線接続から芝浦入口まで | |
高速1号上野線 | 全線 | |
高速2号目黒線 | 全線 | |
高速3号渋谷線 | 上り線:渋谷出口から都心環状線接続まで 下り線:都心環状線接続から渋谷入口まで | |
高速4号新宿線 | 上り線:新宿出口から都心環状線接続まで 下り線:都心環状線接続から中央環状線接続まで | |
高速5号池袋線 | 上り線:東池袋出口から都心環状線接続まで 下り線:都心環状線接続から東池袋入口まで | |
高速6号向島線 | 上り線:向島出口から都心環状線接続まで 下り線:都心環状線接続から向島入口まで | |
高速7号小松川線 | 上り線:錦糸町出口から6号向島線接続まで 下り線:6号向島線接続から錦糸町入口まで | |
高速9号深川線 | 全線 | |
高速11号台場線 | 全線 | |
高速八重洲線 | 全線 | |
東京高速道路株式会社線 | 全線 |
おわりに:制限解除後に楽しく二人乗りしよう!
以上、バイクの二人乗りに関する制限について解説してきました。
バイクの運転に慣れてきたら、「そろそろ友達や彼女(彼氏)を後ろに乗せて二人乗りしてみたい!」と思うものです。実際に僕自身もそうでした。
免許を取ってまだ日が浅い人は、制限が解除されるまで我慢の期間が必要です。ただ、二人乗りには運転の技量と経験が一定程度必要なのは間違いありません。初めて二人乗り走行する日は、相当緊張するものです。
二人乗りで一緒に走りたいような「特別な人」だからこそ、何としても事故やトラブルが避けたいものですよね。我慢の期間をスキルアップの時間と捉えて、制限が解除された後に、楽しく二人乗りできるようにしてくださいね!
- 高速道路での二人乗りには3つの条件がある
- 125cc超で乗車定員2名のバイク
- 20歳以上
- 免許有効期間が通算3年以上
- 一般道での二人乗りには2つの条件がある
- 50cc超で乗車定員2名のバイク
- 免許有効期間が通算1年以上
- 首都高速の一部エリアでは、どんなライダーでも二人乗り禁止