くねくねの極み!
標高差570mの片峠を 一気に駆け上がる
2021年春、ツーリングで碓氷峠(めがね橋)に行きました! 現地で実際に感じた見どころなどを、ライダー目線で解説していきます。デジタル一眼カメラで撮影した高精細な写真もたくさん紹介するので、現地の実際の雰囲気がわかりますよ。バイク・クルマで行ける周辺スポットも紹介します。
群馬県安中市にある「碓氷峠(めがね橋)」の情報を紹介します。
古くから人々や物資の往来を支えてきた、中山道随一の難所「碓氷峠」。時代の変遷とともに道が付け替えられてきましたが、現在でも残る旧道(国道18号)はやはり交通の難所であることに変わりません。
しかし、そんな山岳道路特有のくねくね道が、峠道を愛するバイク好き・クルマ好きを惹きつけてやみません。
旧道沿いには歴史ある文化財もたくさんあって、走りも観光も一度に両方楽しめる素晴らしいツーリングスポットですよ。ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
旧道碓氷峠の基本情報
まずは碓氷峠の基本情報を紹介しておきますね。実際に訪れる前にこれを知っておくと、あなたのツーリングがもっと楽しくなりますよ。
碓氷峠には旧道と新道(バイパス)がある!
わが国の道路網の発達に伴い、碓氷峠(読み:うすいとうげ)でも道の付け替えが行われました。その結果現在では、碓氷峠を走る国道18号に旧道と新道(バイパス)の2つの道が存在しています。
旧道は、急峻な山道を縫うように走る、いわゆる「くねくね道」ですね。数多くのヘアピンカーブが連続します。
新道は、旧道の南側の入山峠を通る道で、旧道と比べて道路幅も広く多少走りやすくなっています。
峠道が好きなら選ぶのは旧道!
上記のとおり碓氷峠には旧道と新道がありますが、峠道が好きなライダーなら選ぶのは間違いなく旧道です。アニメ「頭文字D(イニシャルD)」にも登場する有名な峠道で、休日にはツーリング・ドライブ目的のバイク・クルマも多いです。
ただ、後述の重要文化財などもあり、一般の観光客のクルマも普通に走る道なので、そこまで危険な道ではありません。初心者や峠道が苦手なライダーでも、比較的安心してゆっくり走ることができますよ。
人々や物資の往来を支える交通の難所!
碓氷峠は、江戸時代には五街道の一つ中山道として整備された歴史ある道ですが、古くから交通の難所として有名でした。
関東と信州・北陸地域を結ぶ交通の要衝として位置づけられた碓氷峠は、人々や物資の往来に欠かせない、中山道随一の難所だったのです。
徒歩や馬の時代と比べるとだいぶ楽になりましたが、それでもなお、ひとたび旧道を走ってみれば、難所であることを痛感させられます。
旧道碓氷峠ツーリングの見どころ
次に、僕が実際に現地で感じた見どころ情報を、ライダー目線でお伝えしていきますよ。絶対に外せないスポットを写真付きで紹介します。
THE・くねくね道!
碓氷峠の最大の見どころは、何と言っても急勾配と急カーブが続くTHE・くねくね道!
碓氷峠では、Rの小さいヘアピンカーブが連続します。そこに急勾配が重なるので、気持ちよく車体をバンクさせていると、簡単にステップを擦ってしまいます。
全長約15kmの道のりの平均勾配は約4%とそこまできつくないものの、山中では標高差約570mを一気に駆け上がっていきます。
スピードは控えめに、バイクをそこまで傾けなくても曲がれるような、余裕を持った走行を心がけましょう。
次々と迫り来る184のカーブ!
もう一つの見どころは、数多のカーブ群です。全長約15kmの道中、実に184個ものカーブがあります。
次々と迫り来るカーブをクリアしながら峠道を上りきったとき、なんとも言えない爽快な気分を味わえますよ。
碓氷第三橋梁(めがね橋)は国指定重要文化財!
碓氷峠の魅力はその道だけではありません。人と物が行き交ってきた歴史ある街道だからこそ、そこには文化が発展しました。
特に国の重要文化財に指定されている「碓氷第三橋梁(通称めがね橋)」は、観光のハイライトです。
めがね橋付近には駐車場もあるので、バイクを停めて歴史ある建造物を眺めてみましょう。近くで見ると、存在感の大きさに圧倒されますよ。
おすすめは橋の上から見下ろす眺めです。険しい山道の中にいることがわかり、ここが交通の難所であることが実感できます。
上り(下り)だけの珍しい片峠!
碓氷峠は、群馬県側の横川と長野県側の軽井沢を結ぶ峠道ですが、全国的にも珍しい片峠なんです。
横川から進むと、上りだけになり、逆に軽井沢から進むと下りだけの片峠です。もちろん、おすすめは横川からの上り。
「峠の下りが苦手・・・」というライダーも少なくないはず。上りだけで楽しく峠を走れるなんてちょっぴりおトク(?)な気がしませんか。
実際僕も、初めて峠に着いたときは不思議な感じがしました。
秋の時期は紅葉が美しい
さらなる見どころは、秋の紅葉が美しいことです。
10月中旬から11月上旬の見頃時期には、山一面が赤く染まるほどの景色が見られます。
紅葉のトンネルをくぐりながらくねくね道を駆けるのは、最高に気持ちいいですよ。
旧道碓氷峠の食事処を紹介
旧道碓氷峠の周辺にある、おすすめの食事処を紹介します。
どれも人気で定番のお店なので、碓氷峠を走る際はルートに組み入れてみてくださいね。
中山道沿いの趣ある茶屋「玉屋ドライブイン」
街道には、行き交う人々の胃袋を満たす食事処も発展します。そのため、碓氷峠には趣ある茶屋が立ち並びます。
上の写真の玉屋ドライブインもその一つ。穏やかな店主と昔ながらの雰囲気が魅力で、名物の力餅やソースカツ丼が人気です。
実際に僕も、ソースカツ丼をいただきましたが、やさしい味つけでとても美味しかったですよ。
名物の力餅は持ち帰りも可能です。
それからもう一つ、ライダーが多く集まる定番の食事処があります。
峠の釜めし本舗 おぎのや
「峠の釜めし」で有名なおぎのや。
旧道入口付近の国道18号沿いにあるので、碓氷峠に向かう前の腹ごしらえとしてぴったりですよ。
おぎのやはいろいろなところに店舗がありますが、特に中山道沿いの「おぎのや 横川店」には、週末は多くのライダーで賑わいを見せます。
味も抜群に美味しいので、まだ行ったことがない人にはおすすめですよ。ちなみに、釜めしの釜は食後に持ち帰りも可能です。積載に余裕があれば、戦利品としてテイクアウトするのも面白いかも?
旧道碓氷峠(めがね橋)のアクセス情報
まだ現地に行ったことのない人のために、碓氷峠(めがね橋)のアクセス情報を紹介しますね。
地図(マップ)情報
碓氷峠(めがね橋)の住所は「〒379-0307 群馬県安中市松井田町坂本 地内」です。
最寄りの上信越自動車道「松井田妙義IC」から約10km、約15分の距離にあります。
行き方とルート情報
松井田妙義ICからの行き方とルート情報は以下のとおりです。
松井田妙義IC料金所を通過後、松井田ICを右折し県道51号を北上する。
五料交差点を左折し中山道(国道18号)をしばらく道なりに進む。
分岐を左側に進んで旧道に入る。
旧道を道なりにしばらく進むと、碓氷第三橋梁(めがね橋)が見える。
途中の分岐さえ間違わなければ、迷わず無事にたどり着けるはずですよ。
不安な人は、「バイパスじゃなく旧道、バイパスじゃなく旧道」と心の中で唱えましょう。
バイクで行ける周辺のツーリングスポット
最後に、碓氷峠から近くバイクで行ける周辺のツーリングスポットを紹介しますね。どれも1日で回れるスポットなので、一緒に行ってみてください。
妙義山
日本二百名山としても有名な妙義山。日本三大奇勝の一つに数えられ、奇岩群がつくる東洋的な絶景が最大の特徴です。
妙義山周辺に整備された観光道路は、この風光明媚な奇景を楽しみながら走行できる絶好のツーリングスポットですよ。
碓氷第三橋梁(めがね橋)からは約12kmの位置にあり、約20分でアクセス可能です。
荒船山
妙義山と同時期にできたとされる荒船山(あらふねやま)。平な頂上部と切り立った崖を持つ山容が、荒波を割って進んでいく船に似ていることが名前の由来。
特徴は何と言っても、その独特な形ですね。国道254号の16号橋からはっきりとその形が見えますよ。国内でも珍しい、メサ(テーブル上の台地)と呼ばれる地形です。
碓氷第三橋梁(めがね橋)からは約45kmの位置にあり、約1時間でアクセス可能です。上記の妙義山と一緒に回るコースがおすすめですね。
まとめ:旧道碓氷峠のくねくね道で走りと景色も楽しもう
以上ここまで、旧道碓氷峠のツーリング情報をお伝えしてきました。いかがだったでしょうか。
中山道随一の難所で、人々の暮らしを支えてきた究極のくねくね道。しかも全国的にも珍しい片峠の地理的構造になっていて、いまでは多くの峠好きに愛される名道「碓氷峠」。
走りも景色も両方楽しめる趣、たっぷりな歴史ある街道を楽しんでみてくださいね。