近畿の屋根と清流を走る。奈良・三重のV字谷と世界遺産・吉野を巡るバイクツーリング

近畿の屋根と清流を走る。奈良・三重のV字谷と世界遺産・吉野を巡るバイクツーリング

ふるけん
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2022年GW、6日間のツーリングで関西一周を達成。ライダーなら一度は走りたい、絶景ロードをたくさん巡りました。そんな一生忘れられない感動の連続を、デジタル一眼で撮影した高精細な写真とともにレポート。モデルルートとしてツーリング企画に役立ててくださいね。

旅の5日目は、近畿の屋根と呼ばれる「大台ケ原」を通りながら、紀伊半島南岸から北に向かいます。

日本屈指の大渓谷「瀞峡」、断崖絶壁の「香落渓」など、奈良・三重の深いV字谷を走ります。世界遺産「吉野」でいただく和食や、地元で人気の松阪牛グルメも紹介しますよ。

それでは、関西を周遊する絶景ツーリング紀行のはじまりです。

(前回 Day4のレポート

日本屈指の大渓谷「瀞峡」を観光

まずやって来たのは、瀞峡(どろきょう)。国の特別名勝に指定されている定番の観光スポットです。

清流と新緑が美しい渓谷美

熊野川水系の北山川上流にある峡谷で、断崖絶壁と透き通った清流を楽しめます。

こんな感じで、新緑の時期には美しい青モミジが見られます。

ふるけん
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素晴らしい渓谷美の絶景。

渓谷には、歴史を感じさせる「瀞ホテル」が建っています。このホテル、どことなく昭和の匂いがします。

ふるけん
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文豪が入り浸ってそうな、レトロな雰囲気たっぷり。

透明感抜群の水が美しい

北山川に沿って走る国道169号では、清流を眺める爽快な走りを楽しめます。途中、あまりにも水がきれいだったので、思わず立ち止まって写真に収めます。

この透明感、ものすごいですよね。

ふるけん
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いままで見た中で一番きれいな清流かも。

渓谷美を楽しんだ後は、近畿の屋根と呼ばれる大台ケ原を目指します。

近畿の屋根「大台ケ原」を走る

奈良県と三重県の県境にある大台ケ原(おおだいがはら)。

年間降雨量が国内最多!

標高約1600mのこの山は、通称「近畿の屋根」とも言われ、年間降水量が約5000mmもある多雨地帯です。

屋久島と日本一を争うほどの降雨量ですが、その量は実に日本の平均的な都市の4倍。

ふるけん
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水をたっぷり吸っているからか、新緑も輝いてる。

絶景ロード「大台ケ原ドライブウェイ」を走る

ここには、登山口がある大台ケ原ビジターセンターに至る道が走っていて、それが大台ケ原ドライブウェイです。かつては有料道路だった絶景山岳ロードで、近畿の屋根を見渡せる展望を楽しめます。

ふるけん
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新緑の森を抜けた後は、尾根伝いを行く。

近畿最高峰を眺める抜群の展望

曇っているのでいまいちですが、噂通り展望は抜群です。

西を向けば、近畿最高峰の大峰山(標高1915m)を展望できます。

ふるけん
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深い山が広がっていてまさに屋根のよう。

高所で曇りということもあり、少し肌寒さを感じます。大台ケ原に行くときは、防寒着を準備しておいたほうがよいですね。

雨が多く植物が豊富で、多様な植生が見られるらしく、登山も人気があるようです。バイクで登山に来ている人もいましたね。

国道169号に戻り、奈良県吉野町に向かって北上します。そろそろお腹が空いてきたので、昼食としましょう。

昼食:世界遺産「吉野」で絶品そばをいただく

吉野に到着しました。いわずと知れた桜の名所で、千本桜で有名な吉野山ですね。

吉野山に向かう道は急坂で狭いので、注意が必要です。

ふるけん
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特に重量級バイクや積載多い人は転倒に注意。

古民家でそばを提供する「矢的庵」というそば店に行ってみます。

古民家でそばをいただく、ぜいたくなひと時です。

そば粉を使ったサイドメニューのそば団子もいただきます。見た目もそうですが、揚げイモ的な味わいがあります。

ふるけん
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そば粉の香りは割と控えめ。それよりも香ばしいタレの味わいが強め。

料理だけでなく、店内の雰囲気もいい感じです。窓際の席からは、美しい新緑が見えます。春には吉野の桜が見えるのでしょう。

畳と座布団、木製テーブルなど、夏休みにおばあちゃん家で食事しているような気分がします。

ふるけん
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畳の上で食事したのなんて、かなり久しぶり。

お腹を満たしたところで、次の目的地へと向かいましょう。

断崖絶壁!深いV字谷の「香落渓」を走る

続いてやって来たのは、三重県名張市にある香落渓(かおちだに)。「関西の耶馬渓」とも評され、柱状節理の壮大な岩壁が見物です。

深いV字谷を行く

長い時間をかけて侵食された結果、深い深いV字谷が形成されていて、この谷間を走る道では、断崖絶壁を見上げる絶景ツーリングを楽しめます。

渓谷一面の新緑が美しい

渓谷の新緑がとてもきれいです。秋には渓谷一面が赤く色づく、紅葉の名所です。

交通量も少なく、秘境感たっぷり。川辺のキャンプや渓流釣りも楽しめるようです。

日没までまだもう少しありますが、深い谷間なので、すでに暗くなってきました。

完全に日が落ちる前に、本日最後のスポットへと向かいます。

「青山高原」で風車群を駆け抜ける

やって来たのは、三重県にある青山高原(あおやまこうげん)。

緩やかな起伏の高原に延びる道からは、林立する風車の景色を楽しめます。

走りも上々で、中高速コーナーが続くワインディングロード。夕暮れ時に爽快な走りを満喫します。

ふるけん
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だいぶ日が落ちてきた。そろそろ日没。

頂上付近、小高い丘になっている展望台から、周囲を見渡してみます。

風車が立ち並ぶ高原の景色が素晴らしいですね。東を見ると、伊勢湾を遠望できるほどのパノラマを楽しめます。

ふるけん
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風車が設置されるだけあって、風がとても強い。

日没前に霧が出てきたので、平地へと下ります。青山高原の標高は約800mとそれなりに高く、強風もあいまって体感的に結構寒かったです。

春・秋は防寒着があったほうがいいでしょうね。

さて、三重県まできたので、夕食は松阪牛を食べに行きましょう。

ふるけん
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初めての松阪牛に期待。

夕食:黒毛A5ランクの「松阪牛」をいただく

やって来たのは、松阪市にある「松崎屋食堂」。街の食堂の雰囲気を残すお店で、手頃な価格で松坂牛をいただけます。

街で人気の食堂「松崎屋食堂」

オーダーしたのは、松阪牛を使った焼肉定食。切り落とした一枚肉を焼いてタレに絡ませただけの、シンプルな料理です。

ふるけん
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シンプルがゆえに、素材力が試される。

一口ほおばる…

特別な舌を持たない僕でも、この肉の上質さがわかりますね。適度な脂身とよく締まった肉質のよさを感じます。

まあ当然ですが、旨いですね。だって、焼肉ですから。白米によくあいます。

ご飯に味噌汁、たくあんの漬物がついて税込2300円。

ふるけん
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値段は張るけど、一度は食べておきたい松阪牛。

ブランド和牛だからこその証明書

ちなみに、食事の提供とともに、松阪牛の「証明書」なるものがついてきました。ブランド牛なのでちゃんとしてますね。

品質規格の欄を見ると、「A-5」の文字が。いわゆる、A-5ランクの黒毛和牛ですね。

牛名には「やすよし 号」とあり、名前がついていました。

ふるけん
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ありがとう、やすよし号! 命を大切にいただきました。

Tips

ちなみに、日本国内で生産された「和牛」のうち、黒毛和牛が占める割合は約97%。つまり、和牛のほとんどが黒毛和牛というわけ。黒毛以外の和牛には、「褐毛(あかげ)和種」がある。

夕食後、松阪市内の「スーパーホテル松阪」に宿泊。

ふるけん
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和歌山県新宮から三重県松阪まで走りました。明日はいよいよ最終日。

5日目の走行距離: 270km

つづく


ツーリングマップル 関西2024
ライダーなら1冊は持っておきたい定番マップの関西エリア版。ベテランライダーによる実走取材で毎年、信頼度の高い最新情報にアップデートされています。おすすめルートは地図上でマーカーが引かれているので、走るべき道がすぐにわかります。主要な観光スポットをはじめ、道の駅や食事処、桜・紅葉スポットなども掲載されているので、これ一つで旅の企画とツーリングの幅がぐっと広がりますよ。