ツーリングに必要な持ち物って何だろう? 日帰りと宿泊では荷物は違う? 最低限のものだけシンプルに知りたい。
こんな疑問を解決します。
日帰りツーリングに必要な持ち物は、最低限10個です。
1~2泊の宿泊ツーリングでは、さらに荷物が6つ増えます。そのほかにも、あると便利なバイク用品が5つあります。
これらの持ち物を表でまとめ、チェックリストでわかりやすく紹介しますよ。
この記事を書いている僕は、年間に2万キロ以上走るツーリングマニアです。そんな僕が、普段から実際に愛用しているものだけシンプルに紹介します。
リストは後半に掲載しているので、最後まで読んでみてくださいね。
日帰りツーリングの持ち物・必需品10個
日帰りツーリングに最低限必要なのは、以下の持ち物10個です。
- レインスーツ
- ブーツカバー
- メガネ・コンタクトレンズ
- 水筒(飲み物)
- モバイルバッテリー
- ツーリング用地図
- タオル
- 洗車ウェットシート
- 非常信号灯
- シートバッグ
ちなみにここでの日帰りは、往復で150~250km程度の走行距離を想定しています。
一つずつ、詳しく解説していきますよ。
①レインスーツ
ツーリングに持って行くもので絶対に外せないのが、レインスーツ。
出発時は晴れだったのに、帰りは雨に打たれてしまった…
ツーリング先で県境の峠を越えたら、ドシャ降りの雨が…
なんてことは、バイクに乗っていれば日常茶飯事です。僕自身、何度もこうした経験をしています。
防水加工されたバイクウェアを着ていれば、雨具も必要ないかもしれませんが、全身そろえようとするとかなり高額になります。
雨が降ったらサッと取り出せるように、常に携帯しておくのがおすすめです。
また、雨が降ってなくても防寒着として使えるので、標高の高い山岳道路や早朝・深夜での走行シーンでも活躍します。
一般的な雨合羽でなく、バイク用のレインスーツを使いましょう。ライディング時の姿勢を考慮して、袖や裾が長めに設計されていますよ。
②ブーツカバー
雨天時に着用するブーツカバーも、絶対に外せない必需品です。
ドシャ降りの豪雨の中でも靴が濡れず、快適な状態をキープできます。
特にバイク乗りは革ブーツを履いている人も多く、革の天敵である雨対策に欠かせません。
ちなみに、GORE-TEX(ゴアテックス)素材のような防水シューズ/ブーツであっても、高速道路での走行ではどうしても雨が染みてきます。
レインスーツとセットで、常に携帯しておきましょう。
着用にひと手間かかりがちなので、上のアイテムのようになるべく着脱が簡単なアイテムがおすすめです。
着けたまま歩いても、底が擦り切れない頑丈なものを選びましょう。
③メガネ・コンタクトレンズ
視力がわるく、コンタクトレンズを装用しているライダーには、メガネや予備のレンズは必需品です。
目にゴミが入り、こすっているうちにコンタクトが外れてしまった…
なんてことも起こり得ます。僕自身、実際に何度か経験しています。ワンデータイプのコンタクトをバッグ等に忍ばせておけば、荷物も少なくできます。
ただ、手が汚れて不衛生な状態も想定されるので、メガネのほうがよいと考える人もいます。このあたりは好みの世界。
また、強烈な太陽の光から目を保護するのにサングラスを携帯する人も多いですよ。
宿泊時にはメガネもコンタクトも両方使うので、僕はどっちも携帯しています。
④水筒(飲み物)
ツーリングはアウトドアの活動なので、当然ながら夏は暑く冬は寒いです。特に夏は脱水症状のリスクも高いので、水筒(飲み物)が必須です。
旅先のコンビニでペットボトルを買うのもよいですが、家から飲み物を持参すると節約になります。100~200円の飲み物代も積み重なると、大きな金額です。
また、魔法瓶の水筒であれば、夏は冷たく、冬は温かく飲み物をキープできて便利ですよ。
ツーリング先で見つけた湧水地で水くみもできますよ。
⑤モバイルバッテリー
後述するUSB電源が車体装備されていない場合、各種機器への充電にモバイルバッテリーが必要です。
スマホをナビ代わりに使っていると、GPS通信や位置情報の取得でバッテリーがどんどん減っていきます。
ツーリング先の見知らぬ土地で、スマホのバッテリーが切れた…
なんて悲惨なことにならないよう、こまめに充電してあげましょう。
また、車体にUSB電源がある場合でも、インカムやアクションカメラ、デジタルカメラなど各種デバイスの充電に使えます。
モトブログ(Youtuber)など、動画や写真を撮る人にはまさしく必需品ですね。
僕も常に携帯して、一眼カメラやBluetoothレシーバーの充電に使っていますよ。
⑥ツーリング用地図(マップ)
運転中のナビはもっぱら、スマホの地図アプリを使う人が多いと思います。
しかし、ツーリングの企画やルート設定、う回路の正確な把握などに関しては、やはり紙の地図が便利です。
特に、昭文社の「ツーリングマップル」はライダーに特化してつくられているので、バイクで走ると楽しい道や景色のよいポイント、穴場のスポットなどが収録されていてとても役立ちます。
上に紹介している関東甲信越エリアだけでなく、日本全国を7エリアに分類し各地の地図を発刊しています。
記載されているのは、出版社のベテランライダーが直接見聞きした情報なので、かなり参考になるところが多いですよ。全ライダー必携の書だと思います。
僕はいつも旅先ホテルでの就寝前や、食事の待ち時間中にマップを眺めていますよ。
⑦タオル
先ほども言いましたが、ツーリングはアウトドアのアクティビティです。
ヘルメットやジャケットなどを装備して、夏は大量に汗をかくので、タオルは必需品です。
また、旅先で見つけた日帰り温泉や秘湯などに立ち寄る時にも役立ちますよ。
ただ、持ち運びで気を付けたいのはタオルの色。白いタオルだと汚れが目立つので、色の濃いものがおすすめ。
濡れてしまっても、バイクやバッグ等に巻き付けておけば、走行風ですぐに乾燥させられます。
薄手の長いタオルだと、日焼け止めや軽い運動にも使えて便利ですよ。
⑧洗車ウェットシート(フクピカ)
ツーリング先でバイクをきれいに掃除するには、洗車ウェットシートが必要です。
カメラで撮影する前に愛車をきれいにしたい…
泥はねでバイクが汚れてしまって格好悪い…
こんな風に悩んでしまわないように、洗車ウェットシートを携帯しておきましょう。
バイク・クルマ好きから特に人気が高いのは、「フクピカ」です。サッと拭くだけでバイクを水無し洗車できるので、いつでもピカピカの状態を保てます。
自分で気づいていなくても、1回ツーリングするとバイクはいつの間にか汚れているものです。
また、こまめにバイクを掃除していると、愛車の各部に目が届きやすいので、トラブルの早期発見にもつながりやすいですよ。
旅先のホテルでは、いつも寝る前にフクピカで掃除しています。
⑨非常信号灯
非常信号灯は、転倒や事故の際、後続車に非常事態を知らせるものです。
クルマには発煙筒が標準装備されていますが、バイクにはそうした装備がないので、自前で用意する必要があります。
最近は発煙筒でなく、電池で光るライト式のものが販売されています。
また、自分だけでなく、他人の事故に遭遇して交通整理をするのにも役立ちます。緊急事態ですぐに非常信号灯を出せたら、「経験豊富なライダー」という感じがしてかっこいいですよね。
できれば使いたくないですが、もしもの時には無いと困るものです。
常に携帯してますが、幸い僕はまだ使ったことがありません。
⑩ツーリングバッグ(シートバッグ)
これまで紹介してきた9つの必需品をまとめて収納するには、ツーリングバッグが必要です。
バイク用のバッグには、大きく分けると次の3タイプがあります。
- シートバッグ
- サイドバッグ(サドルバッグ)
- タンクバッグ
どんなバイクにも合わせやすく、使い勝手のよいシートバッグがおすすめです。
ここで紹介した日帰りツーリングの必需品は、10L程度のバッグ容量があれば収納できますよ。
1〜2泊の宿泊ツーリングではさらに荷物が増えるので、もう少し大きな20L程度の容量が必要です。
最初からバッグを2つ買うのは大変だと思うので、そんな人は拡張可能なバッグを持っておくと便利です。
このTANAX製シートバッグは、10Lから14Lに拡張できてかなり使い勝手がよいです。日帰り中心だと、これがベスト候補に挙がります。僕も実際に買いました。
ネイキッドバイクへの装着イメージはこんな感じです。極力車体のデザインを崩さない構造が気に入ってます。ちなみにこのバイクは、大型700ccのMT-07。
日帰りより宿泊が多い人であれば、もう少し容量大きめのシートバッグのほうがいいかもしれません。
これだけあれば、2~3泊程度の連休ツーリングにも対応できますね。
僕は日帰りと宿泊で、10Lと20Lのバッグを2つ使い分けてますよ。
以上、日帰りツーリングに最低限必要な必需品10個を紹介してきました。
宿泊ツーリング(1~2泊)に必要な荷物
続いて、宿泊ツーリングに必要な持ち物を紹介します。
1〜2泊の旅では、上記の日帰り必需品10個に加えて、以下の荷物6つも必要です。
- 着替え(肌着・下着)
- 洗面用具等
- チェーンオイル
- リフトアップスタンド
- フロントブレーキロック
- ディスクロック
一つずつ、詳しく解説していきますよ。
①着替え(肌着・下着)
泊まりがけなので、もちろん肌着や下着などの着替えが必要です。
これは好みがあるでしょうが、僕の場合、素肌に触れるアンダーシャツやタイツ、下着、靴下の替えだけ持って行きます。つまり、ジャケットやパンツは2日目も同じ。
極力荷物を減らしたいミニマリストの人は、ホテルで洗濯して同じものを着るという手もありますよ。お金と時間はかかりますけどね。
②洗面用具等
同じく泊まりがけなので、洗顔や歯ブラシ、シャンプー、保湿クリームなどの洗面用具等も必要です。
これも個人の好みでしょうが、僕の場合、絶対持って行くのはシャンプーと歯ブラシ、保湿クリーム(乾燥肌なので)ぐらいですかね。
極力荷物を減らしたい人は、ホテルのアメニティで済ませることも可能。ただ、女性や頭髪でお悩みの男性などは、こだわりのシャンプー等が必要かもしれませんね。
ヘルメットを被ると頭髪が傷みやすいので、ケアには気をつかったほうがいいですよ。
③チェーンオイル
1~2泊となると、走行距離もそれなりに伸びます。一般には500km前後でチェーンオイルの散布が必要。
1日で200kmぐらいは走るでしょう。2~3日も走れば、当然500kmは超えてきます。もし注油せずに乾いたままだと、チェーンの寿命を縮めてしまいます。
チェーンの調子をよく保つには、こまめなメンテナンスが大事です。宿泊先に着いて、夜寝る前に注油しておくのを忘れないように。これだけでチェーンを長持ちさせられますよ。
本当は古い油を拭き取ってからのほうがいいんですけど、面倒な人はそのまま吹きつけるだけでもOK。何もしないよりは断然マシですからね。
僕は拭き取りのために、ウェスを2~3枚常備していますよ。
④リフトアップスタンド(メンテナンススタンド)
いま紹介したチェーンオイルの注油に必要な関連アイテム。
センタースタンドがないバイクの場合、チェーンに注油するには、リフトアップスタンドがないと不便です。
このスタンドを使わない場合、
オイルを少し注油してはバイクをちょっと押して、オイルを少し注油してはバイクを…
という状況になってしまい、とても面倒です。
チェーンオイルを使うなら一緒に持っておく必要がありますね。
あるかないかで、作業の生産性に5倍ぐらい差が出ますよ(体感)。
⑤フロントブレーキロック
これも、チェーンオイルの注油に便利な関連アイテム。
チェーンメンテナンスを行う場所が、いつも平坦な場所とは限りません。
傾斜があるから前輪がズレて、リフトスタンドアップで後輪が持ち上がらない…
なんてことも起こり得るのです。実際僕も何度も経験済み。そんな時のために、フロントブレーキロックが必要なんです。
フロントブレーキレバーに引っ掛けることで前輪をロックし、坂道でもバイクがズレ動かない状態にします。
確実なチェーンの注油作業のために必要なアイテムですね。注意点としては、長時間の使用は避けること。ブレーキ部品にダメージを与えてしまいます。
うっかりロックをかけたまま離れないように! 短時間なら、何も問題ありませんよ。
⑥ディスクロック
宿泊するということは、就寝の間はバイクから完全に離れてしまうということです。
ホテルのスタッフが常駐しているとはいえ、油断は禁物。旅先でも当然、盗難やいたずらのリスクはあります。
安心して夜を過ごすには、ディスクロックが必要です。
ツーリングで気軽に持ち出せるコンパクトなサイズが便利です。宿泊先だけでなく、観光地でしばらく愛車から離れる間も、確実にバイクを守ってくれます。
上で紹介しているような、アラーム付きのロックだと防犯性が高いですよ。
以上、1~2泊の宿泊ツーリングに必要な追加の荷物6つを紹介してきました。
あると便利!旅が捗るバイク用品・装備(オプション)
導入するかどうかは任意(オプション)ですが、あると便利なバイク用品5つを紹介します。
- スマホホルダー
- USB電源
- 二輪用ETC車載器
- エネキー
- ワイヤーロック
すでに持っている人も多いでしょうが、簡単に紹介しておきますね。
①スマホホルダー
ハンドル部分に取り付けて、スマボをナビ代わりにするのに便利な装備です。
カバー付きのタイプは中で熱がこもり、スマホが熱暴走するので注意しましょう。
おすすめは、「シンプルで頑丈なホルダー+防水スマホ」の組み合わせ。
この装備だと、雨に降られても気にせず走り続けられますよ。
バイク用品はとにかく防水が一番ですね。
②USB電源
ナビ代わりのスマホに給電するためには、USB電源が便利です。
必需品のモバイルバッテリーを節約しつつ、バイクで発電した電力で各種デバイスにチャージできます。
2口だと消費電力が大きくなり、バッテリー上がりのリスクが高まるので注意が必要。シンプルな1口タイプがおすすめです。
③二輪用ETC車載器
高速道路を使う場合、ETC車載器があると便利です。
ご存知のようにETC割引が適用され、現金支払より安くなるメリットがあります。
それだけでなく、「ETCマイレージ」というものもあるのですが、これがまたかなりお得な制度なんです。簡単に説明すると、次のような仕組みです。
- ETCカードで支払った金額に応じて、毎月最大10%のポイントが付与される
- 貯まったポイントは還元額に交換でき、次回の請求額から値引きされる
地域によって還元率が違いますが、最大10%のポイント還元は、実質1割引きなのでかなり大きいですよ。
具体的な例で確かめてみましょうか。
ある週末のツーリングでETC休日割引(30%割引)が適用され、700円(現金なら1,000円)の料金になった。さらに、マイレージ制度で10%分の70ポイント(利用料金に対する10%)が付与された。70ポイントは還元額として次回請求額から値引きされ、70円分安くなった。合計して、現金支払いと比べて370円分(37%割引)も得をした。
※簡略化した例。実際にはポイントの交換単位が定められています
公式サイト:ETCマイレージサービス
僕自身これを知ったのは、ETCを導入してから1年半ぐらい後のこと。もっと早くに登録しておけばよかったと思ってます。
デメリットがあるとすれば、ETC車載器の初期費用がそれなりにかかることでしょうかね。高速をよく使う人なら、1~2年でその初期費用は回収でき、後はお得になっていく一方ですよ。
便利すぎてもう手放せないですね。
④エネキー
バイク関連のお得アイテムでは、ガソリン代が安くなるエネキーも便利です。
ENEOSカードとの組み合わせで、給油1リットルあたり3円も安くなります※。
※店舗によって割引率が異なる場合があります
ガソリン代は少しでも安くなったほうがお得ですよね。エネキーについては、別の記事で詳しく僕の体験談を紹介しています。
最近※は特にガソリンが値上がりしてるので、何とか節約したいですよね。
※2021年12月現在
⑤ワイヤーロック(ダイヤル式)
最後に紹介するワイヤーロックも、便利なバイク用品です。
使い方は簡単で、盗難されたくないものや固定したいものに通して、ロックするだけ。
主な使用例をいくつか紹介します。
- ロック機構がついていないバイクで、ヘルメットの盗難防止として
- 食事中や観光中に、ジャケットの盗難防止として
- 他人に勝手に開けられないように、シートバッグの施錠として
- シートバッグに入りきらない荷物の脱落防止として
シンプルな構造なので、他にもいろいろ応用がききますよ。一つ持っておいて損はないですね。
カギの紛失を避けるために、上で紹介しているようなダイヤル式タイプがおすすめです。
以上、あると便利で旅が捗るバイク用品4つを紹介してきました。
リストで必要な持ち物をおさらいチェック
最後に、この記事で紹介した日帰りツーリングの「必需品」、宿泊ツーリングで必要な「追加荷物」、旅が捗る「便利な物」を一覧表でまとめます。
不足している物がないか一目で確認できるので、チェックリストとして使ってみてください。
No. | 日帰り必需品 | 宿泊時の荷物 | あると便利な物 |
---|---|---|---|
① | レインスーツ | 着替え | スマホホルダー |
② | ブーツカバー | 洗面用具等 | USB電源 |
③ | メガネ・サングラス等 | チェーンオイル | ETC車載器 |
④ | 水筒(飲み物) | リフトアップスタンド | エネキー |
⑤ | モバイルバッテリー | フロントブレーキロック | ワイヤーロック |
⑥ | ツーリング用地図 | ディスクロック | |
⑦ | タオル | ||
⑧ | 洗車ウェットシート | ||
⑨ | 非常信号灯 | ||
⑩ | ツーリングバッグ |
僕も実際、出かける前日にこのチェックリストで持ち物を確認しています。
まとめ:必需品を持ってツーリングを楽しもう
以上ここまで、バイクツーリングに必要な持ち物を紹介してきました。
日帰りで必要な必需品は10個、宿泊で追加すべき荷物は6つ、あると便利なバイク用品は5つです。
持ち物はなるべくシンプルにすべきですが、最低でも必需品をそろえたうえで、ツーリングを楽しんでくださいね。
必需品10個があれば、日帰りツーリングで困ることはまずないですよ。