2021年夏、Y’S GEAR(ワイズギア)から注目の新商品「オイルチェンジキット」が発売されました。
僕たち一般ユーザーがオイル交換するのに便利なパッケージは、これまでにありそうでなかった画期的な商品ですよね。
現役のヤマハMT-07乗りの僕としても嬉しいニュースですが、一方で気になったこともあります。
自分で一式そろえる場合と比べて、どっちがお得かな…?
メリット・デメリットはどうだろう … ?
どういう人に向いてるかな … ?
ということで、この記事では、そんな「オイルチェンジキット」の費用が割高なのか割安なのか、メリット・デメリットは何なのかを検証してみます。
この記事を書いている僕は、2019年夏にYAMAHA MT-07を新車購入。それ後2年間で約3.6万kmを走行し、11回のオイル交換を自分で行いました。こうした経験をもとに、どちらがよりお得なのか答えを導きますよ。
オイルチェンジキットとは
まずはじめに、オイルチェンジキットがどんな商品なのかを簡単に説明しておきますね。すでに知っているという人は読み飛ばしてもOKですよ。
Y’S GEARから発売された新商品
オイルチェンジキットは、2021年夏、ヤマハ純正パーツを専門で取り扱っているY’S GEAR(ワイズギア)から新発売されました。
オイル交換に必要なものがすべて詰まったパッケージ商品
このキットが注目に値するのは、オイル交換に必要なものがすべて詰まったワンパッケージの商品だという点です。
もちろん、パーツはすべてヤマハ純正品です。具体的には、以下のようなものがセットになっています。
- エンジンオイル(YAMALUBE プレミアムシンセティック)※
- オイルフィルター
- ドレンボルト用ワッシャー
- 漏斗(ろうと)
- 軽量カップ(300ml)
- オイル交換時期リマインドステッカー
- 手袋(1双)
- ウェス(5枚)
- 吸油材※
- 結束バンド
- 取扱説明書
※エンジンオイルと吸油材については、後述のABCタイプごとに容量が異なる
このとおり、キット1個だけ買ってしまえば、エンジンオイルとオイルフィルターが交換できるので、便利ですよね。
ただし、工具まではついてこないので、メガネレンチやフィルターレンチなどの工具は自前で用意する必要があります。
適合車種ごとにABCの3タイプがある
オイルチェンジキットには適合車種に応じてA・B・Cの3タイプがあり、オイル容量や価格などが変わります。
それぞれの違いについては、以下の表のとおりです。
タイプ | 適合車種(年式) | オイル容量 | 価格(税込) |
---|---|---|---|
Aタイプ | MT-07(2014~) XSR700(2018~) テネレ700(2020~) MT-09(2014~2020) XSR900(2016~) NIKEN(2018~) TMAX530(2017~) TMAX560(2020~) YZF-R3(2015~) YZF-R25(2015~) MT-03(2016~) MT-25 (2016~) | 3L | 8,800円 |
Bタイプ | SEROW250(2005~2020) XT250X(2006~2017) TRICKER(2004~2018) | 2L | 6,600円 |
Cタイプ | SR400(1983~2020) SR500(1983~1999) | 3L | 8,470円 |
ヤマハの主要な現行車種から生産終了になった人気モデルまで、多くの車種をカバーしていますね。
これで、オイルチェンジキットの概要がわかりましたね。
オイルチェンジキットの費用やメリット・デメリットについて
次に、本題である費用やメリット・デメリットについて解説しますよ。
ワンパッケージの「キット」とは対照的な、「自分で一式そろえる場合」と比較してみましょう。
自分で一式そろえる場合よりも費用は割高になる
結論から言うと、自分でメンテナンス用品を一式そろえる場合よりも、オイル交換にかかる費用は割高になります。
セット商品になっているからと言って、必ずしもお得ではないということですね。
具体的な金額の違いについては、以下の比較表で確認してみましょう。
自分で一式そろえる | キット (Aタイプ) |
---|---|
計:6,715円 | 計:10,000円 |
自分で一式そろえる場合は6,715円で、キットの約10,000円と比べて約3,300円も安いですね。
一式費用の内訳については、以下のとおりです。
- エンジンオイル3L相当:3,975円
- 廃油ボックス:498円
- オイルフィルター:1,738円
- ワッシャー1枚相当:81円
- ウェス5枚相当:86円
- オイルジョッキ:297円
- 軍手1双相当:40円
※容量や個数については、オイルチェンジキットの内容に合わせて単位あたり料金に換算(端数切り捨て)
※価格は2024年時点(Amazon)
エンジンオイルとオイルフィルターはキットと同じく純正品ですが、それ以外は代替品です。
また、計算に使ったメンテナンス用品は、僕が普段のオイル交換で実際に使っているものです。詳しくは、以下の関連記事で紹介していますよ。
メリット・デメリット比較表
単純な費用については、自分で一式そろえる場合に軍配が上がることがわかりました。
では、オイルチェンジキットはコスパが悪くて買うべきではないのでしょうか?
いえ、それは違います。それぞれにメリットとデメリットがあるので、比較してみましょう。
メリット | デメリット | |
---|---|---|
自分で一式 そろえる場合 | ・費用が割安 ・オイルの種類などが選べる ・必要なものだけ買い足せばよい | ・用品選びの失敗リスクがある ・初めてだと何を買えばよいか悩む |
オイルチェンジ キット | ・用品選びに失敗しない ・作業手順の説明書があり安心 ・お買い物時間を短縮できる | ・費用が割高 ・オイルの種類などが選べない |
例えば、初めてオイル交換する場合に自分で一式そろえようとすると、何を買えばよいか迷います。そんな時は、キット1つだけ買ってしまえばよいので、お買い物が楽ですよね。
一方で、オイルジョッキや廃油ボックスがすでに手元にある場合には、キットを買ってしまうとムダが発生してしまいますよね。
つまり、どちらがより適しているかは、ケースバイケースで変わるということです。
結局、どんな人におすすめなの?
ケースバイケースと言われても、結局どっちがおすすめかどうかわかりませんね。
そこで、どんな人ならキットを買うべきなのか、あるいは一式そろえるべきなのか、その違いについて整理します。
- 初めてオイル交換する人
- 部品の型番など詳しい情報が知りたい人
- YAMALUBEオリジナルデザインの漏斗を使いたい人
- お買い物をとにかく短時間で済ませたい人
- オイル交換の経験があり慣れている人
- コスパを重視したい人
- 他のオイルなどをいろいろ試したい人
- 純正品でなくてもよいので激安で済ませたい人
だいたいこんな感じでしょうか。
初心者にはもちろん、キットがおすすめですよね。それから、最初だけキットを買って型番を手元に控えておき、2回目以降は自分で一式を調達する、というのも賢いやり方ですね。
逆にオイル交換に慣れている人や、僕みたいに他のオイルも試してみたい人には、自分で一式調達するのがおすすめですよね。
キットだとお買い物時間を短縮できるのは嬉しいですけど、一つずつ用品を見比べながら、予算の中でアレコレ考えるのも楽しいですよね。
僕は断然、「自分で一式そろえる」派ですよ。慣れると間違えずに用品選びができますし、小物などはまとめてストックしておけますからね。
オイルチェンジキットの注意点3つ
最後に、僕が考えるキットの注意点を3つ紹介しておきます。
バラ買いできず一式でしか買えない
言うまでもないことですが、セット品になっているのでバラ買いができません。
ドレンボルトは同梱されていない
オイル交換に必要なものがすべてセットになっているような感じがしますが、実はドレンボルトは同梱されていません。
オイル交換2回につき1回、ドレンボルトを交換する必要があるので、この点は注意が必要ですね。
毎回の使用には向いていない
このキットは、実は毎回の使用には向いていません。というのも、毎回交換する必要のないオイルフィルターがセットでついてくるからです。
オイルフィルターもドレンボルトと同じく、オイル交換2回につき1回変えるべき部品です。もちろん、毎回交換してもダメではないですが、コスパはよくないです。
上記の3つの注意点には、気を付けたいですね。
まとめ:決して割安ではないけど、初心者にはおすすめできる
ここまで、オイルチェンジキットの費用やメリット・デメリットについて、自分で一式そろえる場合と比較しながら解説してきました。
検証してみてわかったことは、「キットは決して割安ではないけど、用品選びに失敗しないので初心者にはおすすめできる!」です。
ここで紹介した情報を参考に、あなたのケースではどちらが適しているか判断してみてくださいね。
僕が普段使っているオイル交換用品の一式については、以下の関連記事で紹介していますよ。また、おすすめのエンジンオイルを予算・性能別にまとめているのでチェックしてみてくださいね。