バイクのオイル交換の頻度や時期は? 失敗しない情報が知りたい! 走行距離によってどんな違いがある?
あなたのこんなお悩みを解決します。
バイクを良い調子に保つためには、定期的なオイル交換のメンテナンスが重要です。
この記事では、誰にでもわかりやすいオイル交換の頻度・時期の目安について解説します。
走行距離に関しては巷でいろいろと言われていますが、3,000kmと6,000kmのオイル交換ではどんな違いがあるのか紹介しながら、一つの答えを提示します。
この記事で紹介している方法を実践すれば、失敗しないオイル交換が可能ですよ。
この記事を書いている僕は、バイク歴10年超のライダーです。これまでに何度もオイル交換して身につけたノウハウを公開します。ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
エンジンオイル交換の頻度と時期の目安
基本的に、エンジンオイルが劣化した時が交換時期の目安ですが、毎日オイルの汚れを点検するのは大変です。
そもそも劣化しているかどうかなど一般のユーザーが見ても判断できません。では、どうすればよいのでしょうか?
ずばり、エンジンオイルの交換タイミングは①走行距離と②時間で判断します!
それでは、一体どのようにしてエンジンオイルの交換タイミングを計ればよいのでしょうか?
①走行距離の目安で交換タイミングを計る:3000~5000kmに一度
一般的に、走行距離3000km~5000kmに一度のタイミングがオイル交換の目安です。
劣化の早いオイルでは、1000km以上の走行で著しくオイル劣化が進行するといいます。できれば3,000kmに一度、少なくとも5,000kmに一度は定期的に交換するようにしましょう。
しかし、走行距離だけ見ていればいいかというと、そういうわけでもありません。次に示す、時間的な見方も必要です。
②期間の目安で交換タイミングを計る:6か月に一度
一般的に、走行距離にかかわらず、6か月に一度のタイミングがオイル交換の目安です。
走行距離が少なくても、温度変化などで毎日少しずつオイルは劣化していきます。そこで、半年に一度というタイミングが必要なのです。
特に、「毎日の通勤通学で短時間のチョイ乗りしかしない」ような使い方は、走行距離の割に意外とエンジンオイルの劣化がかなり進行しているケースが多いです。
このように、エンジンオイルの交換タイミングは、①走行距離と②時間の二段構えで計るようにしましょう!
- 前回交換時から3,000km~5,000km走ったらオイル交換する!
- 走行距離にかかわらず、前回交換時から6か月経ったらオイル交換する!
参考:走行距離によるオイルの汚れ具合を比較
走行距離については、ネット上ではいろいろと言われていて、迷ってしまう人もいるのではないでしょか。
そこで、僕が普段乗っている大型バイク「MT-07」のオイル交換したときの汚れ具合の比較情報を紹介しますね。
1枚目が走行距離3,000km間隔、2枚目が6,000km間隔で交換した実際のオイルの汚れ具合です。
こうして比べて見ると一目瞭然ですね。3,000km交換時のほうが汚れが少なく、6,000km交換時はドス黒い色をしています。
3,000km交換時のほうは新車購入後3か月後ごろで、総走行距離が4,000kmぐらいでした。6,000km交換時は、2年足らずでちょうど3万km走ったぐらいでした。
ちなみに、スラッジがよく出る新車の頃のほうがオイルは汚れやすいです。そう考えると、いかに6,000km交換時のオイルが汚れているかわかります。これだけ汚れていれば、当然エンジンにはよい状態ではないですよね。
こうした経験から、「3,000km~5,000km走ったら交換」がバイクのオイル交換の答えだと思っています。
オイルフィルターの交換頻度と時期
バイクショップなどにオイル交換を依頼すると、「オイルフィルター(エレメント)も交換しますか?」と聞かれることがあります。実は、オイル交換2回につき一度、このオイルフィルターの交換も必要です。
オイルフィルターの意味と役割
車種に合ったオイルフィルターを使おう
オイルフィルターは、メーカーや車種ごとに形が違うので、自分のバイクに合ったものを選びましょう。どんなものなのか見たことない人は、以下のイメージを参考にしてください。
これは、僕が乗っているYAMAHA MT-07に適合する純正のオイルフィルターです。大きさは、手のひらの上に乗っかるぐらいのサイズ感ですね。
車種によっても変わりますが、一般的な価格は1,500円~3,000円程度です。そんなに高いものじゃないので、ケチらずにちゃんと交換するようにしましょう。
実際のオイルフィルター(カートリッジ式)は、このような形をしています。
これは①カートリッジタイプです。カートリッジタイプは一般的にこのような形をしています。
カートリッジタイプの場合は、フィルターレンチという工具を使って、このまま車体に取り付けることが可能です。
オイルフィルターは、オイルと同様使っていくうちにどんどん汚れてきますので、定期的な交換が必要です。毎回交換してもよいですが、一般的にオイル交換2回につき一度で十分です。
ちなみに、フィルターレンチは、以下のようなカップ型が主流です。オイルフィルタのサイズに合ったものを使いましょう。
新車の初回オイル交換時は注意が必要!
ここまで、オイル交換の時期や頻度についてお伝えしてきました。しかし、新車購入時は話が別で、特別な対応が必要です。
セルフはNG!ショップへオイル交換依頼
新車は、エンジン内部を含めすべての部品が新品なので、エンジン内部の摩耗により金属粉がたくさん出ます。つまり、オイル劣化が早く進みます。
慣らし運転の終了目安となる1000km程度走行したら、バイクショップにオイル交換を依頼しましょう!
なんでも自分で整備できるような人でも、この時ばかりはショップに依頼しましょう。
初回点検もセットでお願いしよう
新車は、車両の各部品がまだ互いにうまくなじんでいませんので、ボルトやナット等が緩んでしまっている場合があります。こうしたことから、新車のオイル交換と同時に、プロの整備士に点検を依頼したほうがよいのです。
多くの場合、新車購入後の初回点検とオイル交換がセットになっていると思います。初回点検は無料でやってくれるショップも多いので、積極的にプロにお任せしましょう。
参考:エンジンオイルが劣化する理由と原因
エンジンオイルは必ず劣化する
大前提として、エンジンオイルは消耗品で、使用している以上は必ず劣化します。
オイル劣化のメカニズムについて詳細は省きますが、大まかに言うと以下のようなことが原因で劣化します。
エンジンオイル劣化の原因
(少し難しいので、興味がある人だけ以下をクリックまたはタップしてください)
オイル劣化の要因 | 説明 |
---|---|
せん断による劣化 | オイルの分子が、エンジンの中で高速に動く機械にせん断(切ること)され、 オイルの持つ粘度(ねばり気)が低下して劣化します。 |
熱による劣化 | オイルは、油温100℃時に高い性能を発揮するように設計されていますが、 高温で使用し続けると熱による粘度低下で劣化します。 また、加熱と冷却を繰り返すことによる急激な温度変化でも劣化します。 |
排気ガスによる劣化 | エンジン内で発生する排気ガス(ブローバイガス)が、 オイルに混じることで劣化します。 |
汚れによる劣化 | エンジン内部品の摩耗によって生じる金属粉や不純物が、 オイルに溶け込み汚れることで劣化します。 |
このように、いろいろなことが原因となってオイル劣化を引き起こすのです。
オイル交換の費用目安とおすすめオイル
ここまで、初心者の方が気になる「バイクオイル交換の頻度・時期の目安」について解説してきました。
バイクオイル交換の費用目安
最後に、オイル交換にかかる費用の目安について簡単に触れます。
ずばり、オイル交換の費用は、必要オイル量と使用するオイルの価格でだいたい決まります。
どういうことなのか、HONDAの4車種を例にして説明しますね。
必要オイル量 | 車両例 | 費用(オイルのみ) |
---|---|---|
1Lの場合 | ホンダPCX(0.8L) 排気量125cc | HONDAウルトラE1×1本:約1,000円 |
2Lの場合 | CBR250R(1.4L) 排気量250cc | HONDAウルトラG2×2本:約2,800円 |
3Lの場合 | CB400SF(3.0L) 排気量400cc | HONDAウルトラG2×3本:約4,300円 |
4Lの場合 | CB1300SF(3.8L) 排気量1300cc | HONDAウルトラG4×4本:約8,000円 |
※かっこ内の数字は必要オイル量を表す
※オイル費用は2021年5月現在のオンラインショップ購入価格を参考
※オイルのみ交換時の量(フィルター交換せず)
※廃油ボックス、工具等の費用は含まず
メーカー推奨の純正オイルを購入したと想定して、費用を試算しました。
必要オイル量とオイルの種類で、費用が大きく違うのがわかりますね。
ただ、実際には廃油ボックスやその他の準備物等の費用もありますから、すべてこのとおりにはいかないことに注意してください。
おすすめのオイルを紹介
オイルは様々な種類がありますが、どれを選べばよいかわからないという初心者の方は、とりあえずメーカー推奨のオイルを選択すれば間違いありません。
オイルの選び方や価格、評価の高いおすすめ品については、以下の記事を参考にしてくださいね。
その他にも、具体的なオイル交換のやり方や道具・手順も解説しているので、ぜひチェックしてみてくださいいね。