バイク用ヘルメットってどうやって選べばいいの? 形や見た目がいろいろあるけど、何が違うの?
こんなお悩みを解決します。
バイクの基本装備(ライディングギア)にはいろいろありますが、最も重要なのがヘルメット。
もしもの際には命に関わるものなので、安全性が何より重要です。一方で、自分のバイクのイメージを崩さないよう、デザイン性にも配慮する必要があります。
その他にも、ツーリングや通勤・通学等の用途・目的に応じた機能が備わっているかどうかもチェックする必要があります。
このようにヘルメット選びは意外と奥が深く、特に初心者は悩んでしまいますよね。
そこでこの記事では、初心者でも簡単にわかるように、基本的なポイントをまとめてみました。
この記事を書いている僕は、バイク歴10年超のライダー。これまで何個もヘルメットを買い替えてきた経験をもとに、わかりやすい情報をお伝えしますよ。
この記事を読めば、ヘルメット選びの基本知識が身につくので、初心者でも失敗しない選択ができますよ。
ヘルメットの種類と特徴
まずはじめに、ヘルメットの種類とそれぞれの特徴について説明しますね。
バイク用ヘルメットを大まかに分類すると、次の4つに分けられます。
- フルフェイス型
- ジェット型
- システム型
- オフロード型
一つずつ、詳しく紹介していきますね。
フルフェイス型ヘルメット
顔全体をすっぽり覆うフルフェイス型は、最も安全性・防風性が高いヘルメット。
バイクレース等でも使われるので、見た目的には本格的な走りの印象もあります。
基本的にどんなバイクとも相性がよく、使いやすいです。特にスポーツタイプやネイキッドとはよく合いますね。
静粛性が高く機能的なモデルも多いので、これからツーリングを趣味にしたい人は、フルフェイス型を選択しておけば間違いありませんよ。
- 最も安全性が高く、走行中も安心感を得られる
- 最も防風性・静粛性(遮音性)が高く、高速道路も楽に走れる
- 最も選択肢が多く、自分好みのモデルを見つけやすい
- スタンダートなフォルムなので、どんなバイクにも合う
- 顔全体を覆うので視野が若干狭くなる
- 特に夏場は熱がこもりやすく、熱中症の恐れもある
ジェット型ヘルメット
顔前面が開放されアゴの部分が覆われないジェット型は、気軽さが持ち味のヘルメット。
視界が広いのが最大の魅力で、開放感があるのが特徴です。フルフェイス型ほど威圧感もなく、自然でニュートラルな印象があります。
どんなバイクにも合いやすく、万能ですね。一方で、フルフェイス型と比べると安全性は劣ります。
街乗り・ツーリングなど、どんな走行シーンでも使いやすいですよ。
- 視界が広く開放感がある
- 素顔を見せられるので、そのままコンビニ等にも出入りしやすい
- ヘルメットを被ったまま水分補給できる
- 顔前面が露出しているので、安全性は他種に劣る
- 寒い日はアゴ・首回りが冷えてしんどい
- モデルによっては若干もっさりする
システム型ヘルメット
システム型は、フルフェイスとジェットのいいとこ取りをしたヘルメット。
一見するとフルフェイス型のようですが、アゴの部分が開閉できるようになっています。状況に応じて使い分けることで、ジェット型のように開放感を得ることが可能。
しかし、悪く言うとどっちつかずで、構造的に大きく・重くなりがちなのが欠点です。
- アゴの部分をオープンすると、ジェットのような開放感がある
- 顔全体を覆えるので安心感がある
- 特殊な構造なので大きく重くなりがち
- 選択肢が少ない
オフロード型ヘルメット
バイザー付きのオフロード型は、ダート(未舗装路)を走るのに特化したヘルメット。
名前どおり、オフロードバイクとの相性がよく、未踏の地に踏み込む冒険的な印象があります。一方で、オフロード以外のバイクにはあまり合いません。
目元をシールドで覆うタイプ、ゴーグルで保護するタイプがあります。
近年流行のアドベンチャーバイクや林道での走行を楽しみたい人は、オフロード型を選択するとグッと雰囲気が増しますよ。
- オフロード車やアドベンチャーバイクと非常に相性がよい
- うまく合わせれば個性的でハイセンスな感じを演出できる
- 基本的にオンロード車と相性が悪い
- ゴーグルタイプは脱着も面倒
- バイザーで空気抵抗が大きくなりがちなので、高速走行は苦手
ヘルメット4種の比較
ここまで、フルフェイス型・ジェット型・システム型・オフロード型の4つの種類について説明してきました。
ヘルメットの種類に応じて、相性のよいバイクが存在するので、各ジャンルとの関係を比較してみましょう。
フルフェイス | ジェット | システム | オフロード | |
ネイキッド | ||||
スーパースポーツ | ||||
アドベンチャー | ||||
アメリカン | ||||
オフロード | ||||
スクーター |
:非常に相性がよい :組み合わせ次第では合う :相性が悪い
※一般的な組み合わせの相性であり、個々の状況では結果が異なる場合があります
失敗しないヘルメット選びのポイント4つ
ヘルメットの種類と特徴がわかったら、具体的なモデル選びに進みましょう。
しかし、多種多様なモデルが存在するので、やみくもに探していてはなかなか決められません。
そこで、次に紹介する4つのポイントを参考にしながら、ヘルメット選びを進めてみてください。
- 命に直結する安全性・規格を最重要視
- 試着して自分の頭に合ったサイズを選択
- 車両タイプ・カラーに合わせて一体感を演出
- 内装を洗えて清潔さをキープできる
初心者が悩みやすい点をシンプルにまとめてみました。
①命に直結する安全性・規格を最重要視
ヘルメット選びで一番に気にするべきは、ずばり「安全性」です。
これだけは絶対におろそかにしてはいけません。デザインや雰囲気を重視するのも重要ですが、ヘルメットは命を守るための安全装備です。
安全性はどうやって確認すればいいの?
安全性を測る基準として、「安全規格」というものがあります。
ヘルメット選びの際は、次の3つの規格のうち、どれか一つでも満たしていることを必ず確認しましょう。
日本工業規格(JIS)に基づき、落下試験などの厳しい性能テストを経て認定されています。
「スネル記念財団」という非営利団体が定めた規格。 約5年毎に規格が見直され、厳しい試験が行われています。
公式バイクレース出場のための公認制度。日本モーターサイクルスポーツ協会(MFJ)が定めた規格です。
JIS、SNELL、FIM/MFJのどれか1つをクリアしていれば、安全性に関してはOKですよ。
これらの基準をクリアしているかどうかは、メーカーの商品情報を調べればわかります。
②試着して自分の頭に合ったサイズを選択
ヘルメットは自分の頭に合った、ちょうどよいサイズを選ぶ必要があります。
大きすぎると衝撃時に脱げ落ちてしまいますし、小さすぎると頭が痛くなってしまいます。
実際にお店で試着してみて、自分の頭のサイズとヘルメットのサイズが合っているか確認するのが大事ですよ。
バイク用品店では無料で試着でき、スタッフさんがサイズ選びをサポートしてくれるので、積極的に利用しましょう。
近所に用品店がない人は、Amazon等のネットショップでも買えますよ。
最近では、店舗で試着して適正サイズを見つけ、実際の購入はネットショップで行うのが賢いやり方です。
ネットだと商品バリエーションが豊富なので、お気に入りのモデルも見つけやすいですよ。しかも店舗より割安でおトクに買えるので、まさに一石二鳥なんです。
自分の頭のサイズさえしっかり把握できていれば、はじめからネットで買うのも難しくないですよ。
頭のサイズの測り方
次の手順に沿って、まずは自分の頭のサイズを測りましょう。
- 眉毛の上、おでこの一番高くなっている位置を探る(A点)。
- そこから水平に後ろに回して、後頭部の一番高い位置を探る(B点)。
A店とB点を結ぶ外周に沿ってメジャーやヒモを回し、サイズ(cm)を測る。
上記を何度か繰り返し、頭の外周で一番広い部分を測定する。
各メーカーサイズ表から自分の頭に合ったサイズを探す
頭の外周サイズがわかったら、メーカーのサイズ表と照らし合わせて、自分の頭に合った適正サイズを見つけましょう。
各メーカーのサイズ展開と頭の外周(単位:cm)の対応関係は、次表のとおりです。
Arai | SHOEI | OGK Kabuto | ZENITH | |
XS | 53~54 | 53 | 53~54 | 53~54 |
S | 55~56 | 55 | 55~56 | 55~56 |
M | 57~58 | 57 | 57~58 | 57~58 |
L | 59~60 | 59 | 59~60 | 59~60 |
XL | 61~62 | 61 | 61~62 | 61~62 |
XXL | 63~64 | 63 | 63~64 | 63~64 |
※サイズ展開は個別のモデルによって異なる場合があります
このように、メーカーによって寸法が異なるので、S・M・L等の商品サイズではなく、頭の外周サイズで選ぶようにしましょう。
例えば頭のサイズが58cmで、OGK Kabutoのヘルメットが欲しかったら、Mサイズを買えばよいわけです。
③車両タイプ・カラーに合わせて一体感を演出
欲しいモデルがだいたい決まったら、自分のバイクに合わせてヘルメットの色・装飾を決めていきましょう。
最近のヘルメットは、装飾パターンやカラーバリエーションが豊富です。バイクのイメージを崩さないよう、いい感じに合いそうなものを選びましょう。
例えば黒色のバイクであれば、ヘルメットも同系色にすると一体感が生まれますよ。
お洒落を意識したい人は、ジャケットやパンツ等の色合いも含めて、トータルでコーディネートするといいですよ。
とは言え、あまり難しく考える必要はありません。悩むぐらいなら、白や黒など単一カラーのシンプルなものを選びましょう。どんなバイクにも合うので間違いないですよ。
④内装(インナー)を洗えて清潔さをキープできる
外見やスペックだけでなく、頭に触れる内装も重要です。
ヘルメットの内装(インナー)は、頭皮の皮脂や汗で非常に汚れやすい環境になっています。新品のうちはいいのですが、ある程度使用すると匂いが発生してきます。
特に夏場は大量に汗をかき、雑菌が大量発生します。そのため、内装が脱着可能で手軽に洗濯できるようになっているかが大事です。
洗う頻度は、できれば週1回が理想。最低でも月1回程度としたいところです。
初心者におすすめのヘルメット9選を用途別に比較紹介
ここからは、用途・目的別に初心者におすすめのヘルメットを9つ紹介していきますよ。
結論から言うと、「OGK Kabuto Aeroblade5」が最も初心者におすすめです。
というのも、安全性と機能性のバランスがよく、最もコスパがよいからです。フルフェイス型でどんなバイクにも合わせやすいのも嬉しいポイント。
実際に僕も使っています。まさにこの吹き出し画像で被っているヘルメットが、Aeroblade5です笑
ツーリング主体:軽量・快適なヘルメット3つ
ツーリングでは長時間の使用が想定されるので、軽量・快適で疲れにくいモデルを選択するのがポイントです。
安全性や機能性を重視し、高速道路での利用も考慮するとフルフェイス型がおすすめです。
僕も実際にOGKのAeroblade5を使ってますが、本当に軽くて首が全然疲れません。朝から晩まで走りっぱなしの日もあるので、とても助かってます。
Aeroblade5を使った実際のツーリング風景がこちら。ホワイト一色でシンプルなので、バイクや周囲の風景にうまく溶け込んでいるのがわかりますね。
街乗り主体:脱着しやすく手頃なヘルメット2つ
街乗りでは短距離の移動や普段使いが想定されるので、使いやすさを重視したジェット型がおすすめです。
スポーツ主体:レースでも使える高性能なヘルメット2つ
峠道やサーキット走行など、とにかくスポーツ走行を楽しみたい人は、安全性を重視し高速域での利用にも耐えられるフルフェイス型がおすすめです。
各メーカーのフラッグシップなど、高性能なモデルが該当します。特にスーパースポーツとは相性がよく、スポーティな雰囲気が倍増するのでおすすめです。
オフロード主体:アドベンチャーやオフ車にぴったりのヘルメット2つ
軽めの林道走行やちょっとした未舗装路の走行であれば、オン・オフ両方で役立つシールドタイプがおすすめです。
反対に、ガレ場やエンデューロなど本気のオフ走行を視野に入れるのなら、ゴーグルタイプのほうが適します。
国内ヘルメットメーカー4社の特徴
最後に、国内ヘルメットメーカー4社の特徴を紹介しておきますね。特に初めてのヘルメットは、国内メーカーのものを選んでおけば間違いありません。
もちろん海外メーカーのものを買うこともできますが、表記や規格が特殊だったりするので、初心者にはあまりおすすめできません。
Arai
Arai(アライ)は、日本で初めてバイク用ヘルメットを作ったメーカー。モータースポーツの頂点であるF1をはじめ、世界中のトップレーサーやライダーから支持されています。
丸みを帯びた滑らかなデザインが特徴ですね。
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SHOEI
欧米を中心にグローバル展開する国内メーカー、SHOEI(ショーエイ)。世界のプレミアムヘルメット市場の60%以上のシェアを占めていて、世界的に認められた国際ブランドです。
プレミアムと謳っているだけあって、高品質なモデルが多いですね。
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OGK Kabuto
OGK Kabuto(オージーケーカブト)は、近年勢いのある国内メーカーです。
高品質ながらもコストパフォーマンスに優れるモデルが多く、これからバイクをはじめる初心者からの人気も高いですね。
安全性とスタイルを融合した独創的な製品づくりは、他メーカーとは一線を画します。
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ZENITH
ZENITH(ゼニス)は、YAMAHAのグループ会社「Y’S GEAR(ワイズギア)」が販売するバイク用ヘルメット。お手頃な価格設定ながらも安全規格をクリアしたモデルが多いですね。
余計な装飾を省いたシンプルなモデルが多いですね。
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まとめ:4つのポイントを押さえて選ぼう
以上ここまで、バイク用ヘルメットの種類や特徴、失敗しない選び方、おすすめモデルなどを紹介してきました。
最後に、大事な4つのポイントをおさらいしておきましょう。
- 命に直結する安全性・規格を最重要視しよう
- 試着して自分の頭に合ったサイズを選択しよう
- 車両タイプ・カラーに合わせて一体感を演出しよう
- 内装を洗えて清潔さをキープできる
ヘルメットは、あなたの大事な命を守る最後の砦です。妥協せずに、上記ポイントを押さえて選んでみてくださいね。
素敵なバイクライフのスタートを応援していますよ!