2022年夏、7日間の北海道ツーリングを達成。ライダーが一度は走るべき、絶景ロードをたくさん巡りました。そんな感動ツーリングの様子を、デジタル一眼の高精細写真で詳細レポート。旅のモデルルートとして、あなたの企画に役立ててください。
3日目は、ライダーなら誰もが憧れる不朽不滅の絶景ロードを走ります!
そう。日本最北端の宗谷岬を目指しながら、何百kmも続く一本道を走り続ける「日本海オロロンライン」です。
結論から先に言うと、このDay3のツーリングが過去イチの感動をもたらす「至高のバイク旅」となりました。
これまで、日本全国(沖縄除く46都道府県)をバイク旅してきましたが、オロロンラインが日本で一番の絶景ロードだと思います。
旅の写真もちょっと多めに載せていきます。それでは、絶景の北海道ツーリングをはじめましょう。
Day3ルート概要
①増毛駅跡⇒②サロベツ原野⇒③宗谷岬⇒④キャンプ場⇒⑤サロベツ原野(夕景)
3日目のルートはこんな感じ。
増毛(ましけ)駅に立ち寄る
朝いちばん、まずは増毛駅跡にやってきました。オロロンラインを走るライダーがよく訪れる、有名な場所ですね。
「増毛(ましけ)」を願って、願掛けしていくライダーも多いようです。
今は大丈夫だけど、いつか増毛を願う日が僕にも来るのか…?
いざ北上! 日本海オロロンラインを走る
増毛駅を後にして、オロロンラインをひたすら北上しはじめます。
途中、道の駅に立ち寄って、トイレ休憩や水分補給を済ませます。
これから向かう最果ての地に向け、精神集中し気分を高める…!
オトンルイ風力発電所がお出迎え
天塩河口大橋を超えたあたりから、この道のハイライトが訪れます。
まず目をひかれるのが、オトンルイ風力発電所。30基近い数の風車が立ち並ぶ、圧巻の景色です。
遠目からだんだんと近づきながら、近くに来ると、「こんなにでかいのか!」と驚くほどの大きさ。
風車が回る音が「ゴオォォーヒュンッ!」と聞こえてきます。
すごい轟音…!
サロベツ原野を突っ切る!
オトンルイを抜けた後は、電柱も何もない一本の道が、ひたすら真っすぐに続きます。
サロベツ原野を貫くこの直線路は、全ライダー憧れの絶景ロード。
地平線を見通すだだっ広い原野が広がっていて、道行く車両は輸送用トラックかバイクぐらい。
最果ての地でヤエーいただきました!
海の向こうの利尻富士
日本海の向こうには、利尻富士が浮かんでいます。
最初は雲がかかっていたんですが、しばらく待ってると山頂がお目見え。
冬季に見る冠雪の利尻富士も美しいんだろうなあ、などと思いつつ、黒々と力強い山容を眺めます。
次は利尻島にも行ってみたい。
日本最北端の街「稚内市」
利尻富士を横目にさらに進むと、稚内市へとつながります。
このあたりまでくれば、「いよいよ最北にやってきた…! 」という気持ちが高まります。
青空の下をひたすら快走! もう100km以上はこんな景色が続いてる
しばらく進むと、稚内市に到着。オロロンラインを走り切りました。
最北端のマクドナルド
稚内市街に入り、観光気分で最北端のマクドナルドに立ち寄ってみます。
こんなところにもドナルドが…!
最北端の地「宗谷岬」
いよいよ日本最北端の地「宗谷岬」にやってきました。
楽しく記念写真を撮る人たちや感慨に浸る人など、いろいろな人がいましたが、それぞれが最北端の地を目指してきた旅人という共通項を考えると、なんだか少し嬉しい気持ちになります。
水平線の向こうに樺太の島影がうっすら見える。
宗谷岬に向かっている途中、海沿いの道で幻想的な風景に出会います。
鏡のような水面に雲が映り込み、まるで雲の上を滑って走っていくような感覚に陥ります。
風がなくて穏やかな海。
ここまででかなり走行距離を稼いだため、早めの設営にうつります。
キャンプ地で設営
本当は稚内のキャンプ場にテントを張りたかったんですが、「ヒグマが出た」との情報があり残念ながら閉鎖されてしまっていました。
ということで急遽、オホーツク海側の「さるふつ公園キャンプ場」まで行きます。
だだっ広い芝地の上に設営。ほかにもライダーが数名いました。道の駅併設で、温泉やレストランもある便利なスポット。
前回も宿泊した、お気に入りのキャンプ場。
絶景の予感…! 夕焼けセンサーが反応…?
早めにひと風呂浴びて整ったところで、「少し早いけど今日はもう1日を終えてもいいなあ」と思っていたんですが、僕の夕焼けセンサーがびびっと反応しました。
今日はいい感じに空が焼けるのでは…?
きれいな夕焼けが見えるかどうかは、その日の天候やいろいろな条件次第なため、なかなか予測が難しいもの。
ほとんど直感的なものですが、絶景に出会える予感がしたので、夕景のオロロンラインを走ることにします。
強行軍! サロベツ原野に急げ!
そうと決まれば善は急げで、強行軍になるとは知りつつも、衝動的にバイクを駆ります。
だんだんと日が傾いてきて、刻々とタイムリミットが迫る中、オロロンラインに向かって山中を一人激走。
ただ、こんな時こそ焦りは禁物。
シカの飛び出しや事故に気を付けながら、麦わらロールの絶景を見つけたら立ち止まる余裕も忘れません。
空の色がだんだんとオレンジに移り変わっていくのを見ながら、気分が盛り上がってきました。
絶景の予感が現実のものに…!
さあ! ここからは、いよいよ感動の夕焼けツーリング体験です。
多くを語るよりも、実際の絶景写真をご覧に入れましょう。
至高のライディング:夕焼け、感涙、つながる世界
斜陽を浴びながら愛車と走る道。
原野を真っすぐに貫く一本の道。
至高のライディングを約束してくれる道。
沈む夕日を見ながら走る海沿いの道。
夕焼け空の下を駆け抜ける道。
自然の偉大さと変わらないうつくしさを教えてくれる道。
バイクで走りたいと憧れた、最果ての道。
ここではないどこかへ連れて行ってくれる道。
郷愁を感じる道。
世界とつながる道。
次の冒険へと駆り立てる道。
夕焼け、感涙、つながる世界…
だから、ツーリングは面白い。
後日談
冒頭でも述べた通り、夕景のオロロンラインとサロベツ原野は、僕の人生でも過去イチの感動ツーリングとなりました。オロロンラインを走るなら、夕日もセットで旅程を組むのをおすすめしたいですね。
とはいえ、場所が場所なだけに、事前に近くのキャンプ場で設営を終えておくなど、それなりに制約がついてきます(もしくは、稚内でホテル宿泊にするとか)。
僕は今回、さるふつ公園から1時間ぐらいかけてアプローチしたので(往復2時間!)、キャンプ場についたのは夜9時ごろでした。
当然、キャンプ飯や晩酌の時間がトレードオフになりました。ただ、それらの犠牲を払ってでも見る価値のある絶景だと、僕は保証したいです。
バイク旅で何を優先するか次第ですが、僕みたいに絶景ロードを走ることを至上とするライダーには、特におすすめ。
それから、日没後の時間帯は虫の活動が活発になるため、帰りの山中では虫アタックがすごかったです。夏場はヘルメットとジャケットに虫がびっしりつくのを覚悟しましょう!
3日目の走行距離: 475km
つづく