2021年春、中国・四国の絶景道をバイクツーリングで巡る8日間の旅に出ました。山深い四国山地を走る山岳道路、雄大な太平洋や穏やかな瀬戸内海沿いを行くシーサイドラインなど、ライダーなら一度は走りたい絶景ロードの数々を巡ることができました。そんな一生忘れられない感動の連続を、デジタル一眼で撮影した高精細な写真とともにレポートしていきます。ツーリング・ドライブの企画にお役立てください。
Day3では、日本三大カルストの一つ「四国カルスト」、西日本最高峰の石鎚山に向かう「石鎚スカイライン」、四国随一の感動的な風景が広がる「瓶ヶ森林道(UFOライン)」などを巡りました。
この日は天候に恵まれ、快晴の空の下、四国最高峰の山脈を巡る絶景山岳ツーリングを楽しみました。自然の厳しさを見せる山岳道の他にも、仁淀川沿いを行くのんびりとしたリバーサイドラインも素敵でしたね。
夜は四万十川のほとりにある、四万十川キャンプ場でテント泊をして過ごします。ここは無料のキャンプ場で使い勝手がよいので、四国へキャンプツーリングを考えている人は知っておいたほうがいいですよ。
仁淀川沿いの道では、爽やかイケメン度1.5倍マシマシ(!?)のソフトクリームを食べました。果たしてそのマシマシの秘密とは・・・?
それでは、中四国を巡る絶景ツーリング紀行、Day3のはじまり はじまり
朝の出発
日の出の時刻から少し経って起床。山の中にあり緑に囲まれたキャンプ場※なので、朝日はよく望めません。
※太郎川公園キャンプ場
夜露を払いながらテント撤収
気温差が大きいのでテントには夜露がいっぱい。露を払いながら、手早くテントを撤収して出発します。
本日まずはじめに向かう絶景道は、四国カルスト公園縦断線。前日の下見走行※ではよい景色が望めませんでしたが、今日は朝から快晴。これは絶景が期待できそうですよ!
※詳細はDay2の記事を参照
いざ、四国カルストへ
ここから四国カルストへ向かう道は、3つあります。前日に2ルートを下見走行したので、今日は残りの広域林道を経由するルートで向かいます。
経由ルート 広域林道
林道と名はつくものの、完全舗装路で3つのルートの中では最も走りやすい道でした。南側から四国カルストへアクセスする場合は、この道がおすすめですよ。
起点にはこのような天狗高原のゲートがあります。ここから道はぐんぐんと高度を上げていきます。
前日の下見が奏功して、スムーズに天狗高原に到着できました。
四国カルスト
四国カルストは、愛媛県と高知県の堺にある標高1000~1400mの四国山地に広がるカルスト地形です。この山の尾根伝いを東西に延びる延長約15kmの四国カルスト公園縦断線では、絶景の天空ドライブが楽しめます。
この道は絶景ロード100選に選出されています。詳しい情報は以下の関連記事からチェックできますよ。
絶景のカルスト地形が広がる
地表に点在する白い石灰岩(カレンフェルト)が、まるで羊の群れのように見えます。自然が作り出した風景美ですね。
時刻は早朝。抜けるような青空には、まだうっすらと月の姿も見えます。
一度走ると忘れられない天空の道
標高1500m級の山脈の尾根を走るこの道は、「天空の道」とも呼ばれます。実際に走ってみると、その言葉の意味を実感できましたね。
特に五段高原からの眺めが絶景! 大パノラマを望みながら、天空道を駆けて行きます。
とにかく気持ちいいの一言、気分は最高です!
草原と牛たちの牧歌的な風景が素晴らしい
緑の草原では、放牧中の牛たちが草を食んでいます。
こんな牧歌的な風景を眺めながら、天空の世界で至福のひと時を過ごします。いままで見た景色の中でも指折りの絶景ですよ、これは。
もぐもぐ朝ごはんタイムを終えた牛さんがくつろぎ中。
この絶景道をバイクで駆けるのは最高のよろこびですね。
四国カルストを愛媛側に抜けたら、面河川の上流に向かって北上していきます。次なる目的地は面河渓です。
面河渓を目指して
面河川の上流にある面河渓を目指し、リバーサイドラインの快走路を進みます。
新緑の中を駆けていく爽やかな道ですね。
渓流魚の塩焼きをいただく
道中にある、「おもご ふるさとの駅」で小休止。ここでは鮎やあまご等の渓流魚の塩焼きが食べられます。時刻は10時過ぎ、ちょうど小腹が空いてきたので食べてみましょう。
鮎の塩焼き。淡泊な味わいに絶妙な塩加減で美味しいです!
鮎に空を泳がせてみる。
上質な渓流魚をいただいたら、再び走り始めます。
四国屈指の清流と渓谷美が楽しめる
やって来たのは面河渓(おもごけい)。下の写真の五色橋の眺めが素晴らしいですね。
驚くほど透明度の高い川の水に感動します。とても爽やかな気分になれますよ。
渓谷は深いV字谷となっていて、岩壁が存在感を放っています。
渓谷で水切りに興じる、緑のサウスポー。
渓谷美を楽しんだら、来た道を引き返して石鎚スカイラインを走ります。
石鎚スカイライン
やって来ました。
日本七霊山の一つ、標高1,982mの石鎚山。この石鎚山へ向かう約17kmのアクセスルートが、石鎚スカイラインです。
この道は絶景ロード100選に選出されています。詳しい情報は以下の関連記事からチェックできますよ。
西日本最高峰の霊山
四国山地の西部に位置し、西日本最高峰のこの霊山へ向かう道を走ります。
季節は新緑の5月。山頂には残雪が見えますね。標高1,000m以上の場所を走るスカイラインの道路脇にも、残雪が見られました。
豪快な山岳ワインディングロード
標高約700mの起点から、終点となる標高約1,500mの土小屋まで一気に駆け上がります。
道はぐんぐんと高度を上げて、急峻な山道を縫うようにして進んで行きます。豪快な走りが楽しめる山岳ワインディングなので、一気に走り抜けたくなりますが、途中の展望ポイント「長尾尾根展望台」からの眺めが絶景でおすすめですよ。
天狗岳の力強い山容がかっこいい!
ご覧のとおり、石鎚山(天狗岳)の山頂は鋭く尖った岩山です。
この力強い山容がかっこいいですね! 山岳信仰が盛んな理由がわかる気がします。
石鎚スカイラインの終点は土小屋駐車場となっていて、ここから登山口にアクセスできます。ここを超えてさらに道を進むと、瓶ヶ森へとつながります。
雪が残る路面をおそるおそる進みながら、瓶ヶ森をめざしますよ。
瓶ヶ森林道(UFOライン)
やって来ました、瓶ヶ森。
四国で5番目に高い峰を持つ、標高1,897mの瓶ヶ森(かめがもり)。この高峰の尾根伝いを走る延長27kmのドライブルートが、瓶ヶ森林道(UFOライン)です。
この道は絶景ロード100選に選出されています。詳しい情報は以下の関連記事からチェックできますよ。
笹原がつくる感動的な風景が広がる
周囲の岩峰とは対称的に、瓶ヶ森周辺は笹原で覆われていて、感動的な風景が広がります。
瓶ヶ森付近から望む東黒森の景色。山の稜線が美しいですね。
天上の楽園を行く空中散歩道
この道では最高標高1,690mの場所を走り、周囲を遮るものがないので、四国山脈を一望できる絶景ツーリングを楽しめます。
秘境感たっぷりの景色は、まるで天上の楽園のよう。空中散歩しているような感覚が味わえますよ。
CMロケ地になったことでも一躍有名に
素晴らしい絶景が広がる瓶ヶ森林道ですが、近年、CMロケ地になったことで有名になり来訪者が増加しています。
実際、僕が訪れたこの日もかなり多かったですね。特に道が狭くなるつづら折りが道中にあるのですが、ここで離合できない車が渋滞の列をつくっていました。
こうなるとバイクでもお手上げ。すり抜けもできずに機動力ゼロの状態に陥ります。
仁淀川沿いを走る
瓶ヶ森林道を東に抜けて、国道194号へと出ます。ここからひたすら南下して、四万十市を目指します。
上の写真は国道194号沿いの吉野川です。瓶ヶ森から湧き出た水が流れる、有名な暴れ川。エメラルドグリーンの澄んだ水がきれいですね。
国道194号はリバーサイドラインの快走路
国道194号は谷間を走り、仁淀川やその支流沿いを進むリバーサイドラインです。渓流の爽やかな景色を眺めながら快走する、気持ちのよい道でしたね。
高知アイス売店
そういえばこの日は、満足に昼食も取らずに走り通しです。少し疲れてきたので、仁淀川沿いにある「高知アイス売店」で一休みすることにしました。
お店の目の前を仁淀川が流れていて、清流を眺めながらデザートを楽しめちゃうんですよ。
ソフトクリームだけでなくパンケーキなども提供していて、店内はかなりお洒落な雰囲気でしたよ。店内席からは座ってガラス越しに仁淀川を眺められます。
しかし、僕が最もおすすめだと思ったのは、お店の外でのんびりと仁淀川を見ながらまったりソフトクリームを食べるスタイル。
見てくださいよ、この景色。水質全国第1位(2010年)の仁淀川の雄大な川の流れを眺めながら、贅沢なひと時を過ごす。
このカップル二人も、絵になりますね~。仁淀ブルーの清流が、彼の爽やかさを一層引き立てています。爽やかイケメン度、1.5倍マシマシですよ!
こんな感じの場所なので、観光客メインですが結構若い人が多かったですね。
おじさんライダーはちょっと抵抗感あるかもしれませんが、大丈夫です。ここでソフトクリーム食べれば、あなたも1.5倍マシマシですから!
冗談はさておき、ソフトクリームも絶品で何より景色が素晴らしいのでおすすめスポットです。土佐市から30分程度なので、高知観光や「横浪黒潮ライン」ツーリングとセットで楽しめそうですね。
宿泊:四万十川キャンプ場
だいぶ日も傾いてきたので、今晩の宿泊地へと歩みを進めましょう。本日は「四万十川キャンプ場」でテント泊しますよ。
何かと便利な無料のキャンプ場
四万十川キャンプ場は無料のキャンプ場で、水道(炊事場ではない)と簡易トイレを併設。四万十川のほとりに整備された、広大な芝の敷地でキャンプができます。
チェックイン等が不要なので、何かと予定が狂いがちなロンツーではありがたい場所です。この日もほぼ日没と同時に到着して、急いで設営を済ませたらあたりはすっかり暗くなっていました。
バイクで駆けて10分程度の場所に温泉とスーパーがあるので、さくっと風呂と買い物を済ませます。
四万十川のほとりで贅沢なひと時を
無料だけあって、結構人も多かったですね。バイクもそれなりに見かけましたけど、ファミリーやグループが中心でしたね。
そんな環境なので、静かにソロでまったり・・・という感じではないですね。ただ広いので、場所選びさえ工夫すればソロでも静かに過ごせそうです。
この日は、四万十川のせせらぎを聞きながら眠りにつきました。見上げると、星空がきれいでした。
Day3の走行距離: 321km