エンジンの気筒数とバイクの寿命は関係あるの? 空冷単気筒は壊れにくいって聞いたけどホント?
こんなお悩みを解決します。
この記事の内容
- バイクのエンジン気筒数の違い
- 気筒数の違いでバイクの寿命は変わる?
- バイクの構造・整備性と寿命
この記事を書いている僕は、バイク歴10年超の現役ライダーです。過去に原付バイクをノーメンテで乗り回した結果、廃車にした苦い経験があります。それから、バイクの寿命について徹底的に研究した結果、空冷単気筒の旧車(SRX400)をノートラブルで5.6万キロ以上走らせることに成功しました。
この記事では、エンジンの気筒数とバイクの寿命の関係について解説していきます。
壊れにくく寿命が長いと言われる空冷単気筒。バイクの構造や整備性に触れながら、その理由はなぜなのかもお伝えします。
バイクの構造や整備性などについて知れば、自分のバイクの寿命を長くできる可能性が飛躍的に高まりますよ!
サクッと読めて、バイクの一生に関わる寿命のことが簡単に理解できるので、ぜひ最後まで読んでみてください。
バイクのエンジンの気筒数とは
本題に入る前に、まずエンジンの気筒数について簡単に説明しますね。
「そんなことはもう知っているよ!」という人は、ここは読み飛ばしていただいてOKですよ。
バイクのエンジンと一口に言っても実に様々な種類があります。特に、シリンダー数(気筒数)の違いは、エンジンの性格に大きな影響を及ぼします。
シリンダーとは、エンジン上部についている筒状のパーツのことで、この筒の中をピストンが上下運動しています。このシリンダーで生まれる力を回転運動に変換することで、最終的にタイヤが回ります。
シリンダー数の違いで、バイクの動力性能や特性が大きく変わってくるのです。
ここでは、一般的な市販バイクで採用されている、単気筒・2気筒・3気筒・4気筒(シリンダーの数が1~4まで)を取り上げます。
単気筒/シングルエンジン
単気筒は、エンジン発明当初からある最も基本的でシンプルな構造です。
シリンダーが1つだけなので、部品点数が少なく軽量なのが特徴です。低速からトルクがあって特性がわかりやすい一方、高回転まで回らないので馬力は高くありません。
単気筒は、250cc以下のバイクで採用されることが多いです。
一方、最近ではほとんど見なくなりましたが、400cc以上の単気筒=いわゆる「ビッグシングル」と呼ばれるバイクもありました。
旧車に分類されますが、僕が乗っていた「SRX400/600」も日本のビッグシングルの代表格ですね。
2気筒/ツインエンジン
2気筒は、その組み合わせや配置の仕方で異なるフィーリングが生まれ、最も多様な個性を持ちます。
Vツイン、パラレルツイン、ボクサーツイン、Lツインなどいろいろあり、排気量問わず多くのバイクで採用されています。
低速トルクもあってマイルドな乗り味から、扱いやすいエンジンに仕上がることが多いです。単気筒と比べると少し重く大きくなりますが、シンプルで軽量につくれます。
3気筒/トリプルエンジン
3気筒は、バイクの世界では採用されることが少なく、クセのある独特なフィーリングや音を持ちます。
部品点数も増えサイズも大きくなるので、ほとんどの場合大型バイクで採用されています。
4気筒/マルチエンジン
4気筒は、高回転までスムーズに回ることでパワーが出しやすく、高性能車に搭載されることが多いです。
シリンダーを4つ並べるためサイズが大きくなり、重くなります。部品点数も多く、メンテナンスに手間がかかります。
前置きが長くなりましたが、これで、気筒数の違いがそれぞれ特徴を生むのがわかりましたね。
気筒数の違いでバイクの寿命は変わる?
いよいよ、ここから本題に入っていきますね。
気筒数の違いがバイクの寿命にも影響を与えるかどうかですが、
結論から言うと、次の2つです。
- 気筒数と寿命に大きな関連はない!
- 空冷単気筒は構造がシンプルで壊れにくい!
気筒数とエンジン寿命に大きな関連はない!
気筒数とエンジンの寿命に大きな関連性は見られません。
特別寿命が短いエンジンがあるわけではないので、安心して好みで選んでOKということですね。
実際に、中古車バイク検索サイトで確認してみると、走行距離5万km以上の車両に気筒数の違いはありませんでした。
ただ、これで終わりでは今回のテーマを選んだ意味がなくなってしまうので、少し補足しておきます。
「空冷単気筒」のバイクは、壊れにくくて結果的に寿命が長くなりやすいという傾向があります。
空冷単気筒は構造がシンプルで壊れにくい!
空冷単気筒は最も構造がシンプルなバイクなので、比較的壊れにくい特徴を持ちます。
壊れにくいということは、つまり寿命が長くなりやすいということですね。なぜ空冷単気筒が壊れにくいのかというと、バイクの構造・整備性と大きく関わってるからです。
以下で詳しく解説しますね。
バイクの構造・整備性と寿命
バイクの構造や整備性は、寿命と関係があります。
構造がシンプルであればあるほど、整備性が高ければ高いほど、寿命が長くなりやすいです。
バイクの構造と整備性
エンジンには主に空冷式と水冷式がありますが、空冷式は水冷式より部品点数を減らすことができます。
空冷単気筒のように構造がシンプルで部品点数が少なければ、整備性がよいバイクと言えますね。
構造がシンプルということは、全貌が把握しやすいということであり、機械の不調にすぐ気づくことができます。
最新の電子制御満載のバイクには、一般ユーザーが到底把握できないようなブラックボックスがたくさんあります。そうなると、何かあったとしてもそれが不調かどうか気づくこともできません。
また、整備性が高いということは、セルフメンテナンスしやすいということであり、定期メンテでバイクの調子をよく保ちやすいです。
整備性が悪ければ、メンテナンスもおっくうになり、車両の痛みや劣化が早くなりがちです。
整備性がよく構造がシンプルだと長く乗り続けやすい!
まとめると、空冷単気筒は、シンプルな構造で壊れにくく、メンテナンスもしやすいという強みがあります。
だから、バイクの調子をよく保ちながら、長く乗り続けられる可能性が高まります。つまり、寿命が長くなりやすいのです。
まとめ:空冷単気筒は壊れにくく寿命が長くなりやすい!
今回は、エンジンの気筒数とバイクの寿命の関係について解説しました。
バイクの構造や整備性の違いなど、ちょっとしたことが実は寿命に関係していたりするのです。
寿命が長いバイクに乗りたければ、空冷単気筒を手に入れるのがよいかもしれません。
実際、空冷単気筒には根強いファンがいて、同じ車種にずっと乗り続けているライダーが結構いますよ。
ということで、今回は以上です。
車種を問わず、バイクの寿命を延ばすには、添加剤を使って愛車のエンジンを好調に保つことも重要です。
特に単気筒キャブ車の旧車などは、以下のような添加剤を使うとエンジン性能が回復し、よい状態を維持し続けられますよ。
実際に僕も、5.6万キロ走らせた旧車(SRX400)に添加剤を使っていたおかげで、一度もエンジンに不調を感じることはありませんでした。いま乗っているMT-07にも、フューエルワン(ガソリン添加剤)を3,000~4,000kmごとのオイル交換前に使用しています。
また、今回取り上げた「気筒数別」のほかに「排気量別」にバイクの寿命を解説した記事もありますよ。気になる人はチェックしてみてくださいね。