(2020年5月14日、特定警戒5県を含む全国39県を対象に、緊急事態宣言が解除されました)
(2020年5月21日、大阪府、京都府、兵庫県の2府1県で緊急事態宣言が解除されました。引き続き、緊急事態宣言が発令されているのは、東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、北海道です)
(2020年5月25日、5都道県で緊急事態宣言が解除されました。これにより、すべての都道府県で緊急事態宣言が解除されることになりました)
5月25日、すべての都道府県で緊急事態宣言が解除されました。
今後はウィズコロナの時代を生きていくうえで、三つの密(三密)を避け、手洗いや人と人の距離の確保等の基本的な対策を継続するなど、「新しい生活様式」に切り替えていく必要があると提言されています。
この「新しい生活様式」によって今後、バイクの乗り方はどう変わっていくのでしょうか。コロナ対策で変化するこれからのツーリングの形について考えてみます。
日本中すべてのライダーに関係する内容なので、この記事を参考に、ご自身の今後のツーリングのあり方やバイクの楽しみ方を考えるきっかけにしてください。
緊急事態宣言が解除されてツーリングが解禁された!?
緊急事態宣言が解除され、事実上ツーリングが解禁されたことになります。
しかし、どのようなツーリングでもOKというわけではありません。政府が示した「基本的対処方針」の中で、引き続き一部の行動制限が求められているからです。
その行動制限は、具体的には「新しい生活様式」として示されています。つまり、新しい生活様式に沿って今後ツーリングする必要があります。
結論です。バイクに乗るのを自粛する必要はありませんが、新型コロナ感染拡大を防止するために、新しい生活様式を守ってツーリングしましょう。
新しい生活様式とは?その実践例を紹介
では、その「新しい生活様式」とは一体どのようなものなのでしょうか。専門家会議の資料では、以下の①~④の生活シーンに分けて具体的な実践例が示されました。
- 一人ひとりの基本的感染対策
- 日常生活を営むうえでの基本的生活様式
- 日常生活の場面ごとの生活様式
- 働き方の新しいスタイル
ここでは、僕たちライダーに関係しそうな実践例だけピックアップして紹介していきます。全情報を確認したい人は、以下から専門家会議の公式資料(PDF)をご確認ください。
ツーリングプラン企画の大前提:①基本的感染対策②基本的生活様式
これまでの自粛が一部緩和されて、早速ツーリングプランをいろいろ企画している人も多いかと思います。その時の大前提として、以下の点に注意しながらツーリングプランを組み立てる必要があります。
- 人との間隔はできるだけ2m(最低1m)空ける
- 遊びに行くなら屋内より屋外を選ぶ
- 会話をする際は可能な限り真正面を避ける
- 外出時、屋内にいるときや会話をするときは症状がなくてもマスクを着用
- 家に帰ったらまず手や顔を洗う、できるだけすぐに着替える、シャワーを浴びる
- 手洗いは30秒程度かけて水と石けんで丁寧に洗う(手指消毒薬の使用も可)
- 感染が流行している地域からの移動、感染が流行している地域への移動は控える
- 帰省や旅行はひかえめに、出張はやむを得ない場合に
- 発症したときのため誰とどこで会ったかをメモにする
- 地域の感染状況に注意する
移動に関しては、以上のように示されたほか、
- 不要不急の帰省や旅行をはじめとした県外への移動は自粛する
- 繁華街の接待を伴う飲食店などこれまでにクラスターが発生した場所への外出は自粛する
としています。また、東北・新潟では圏域内や県をまたぐ移動の自粛を求めるメッセージを地域共同で発出するなど、それぞれの地域で独自の外出自粛が呼びかけられています。
まずは、「どこに行きたいか」ではなく、「どこまでなら外出できるのか」の情報をお住まいの地域で確認したうえで、ツーリングプランを企画するようにしましょう。
- まめに手洗い、手指消毒
- せきエチケットの徹底
- 身体的距離の確保
- 三密の回避(密集 密接 密閉)
- 毎朝の体温測定と健康チェック
- 発熱またはかぜの症状がある場合は無理せず自宅で療養
ツーリング中に意識したいこと:③場面ごとの生活様式
ツーリングプランの企画時だけでなく、ツーリング中の各場面で注意しなければならないこともあります。
- 買い物は1人または少人数ですいた時間に
- 買い物は電子決済を利用
- 買い物は計画を立てて素早く済ます
- 買い物でレジに並ぶときは前後にスペース
- 食事は持ち帰りや出前、デリバリーも
- 食事は屋外空間で気持ちよく
- 食事は大皿を避けて料理は個々に
- 食事は対面ではなく横並びで座ろう
- 食事は料理に集中、おしゃべりは控えめに
- 食事はお酌、グラスやお猪口の回し飲みは避けて
実践例ではそのほかの場面も示されていますが、ここではツーリングに関係しそうな買い物と食事を取り上げました。
コロナ対策で変化するバイクライフとこれからのツーリングの形とは
ここまで、ライダーのバイクライフに影響を与える「新しい生活様式」について解説してきました。ここからは、具体的にどのような変化が起きるのかについて考えてみます。
新しい生活様式でバイクライフはどう変化する?
まず、主に通勤・通学のためだけにバイクに乗っていたライダーのバイクライフはそう変化しないでしょう。大きく影響を受けるのは、週末ライダーや趣味でバイクに乗っているライダーたちでしょう。
これまでのように隣県のツーリングスポットに行ったり、人気の多い観光施設に立ち寄ったり、泊りがけで各地方を周ったりといったことが、気軽にできなくなります。
感染拡大を防ぐために、都道府県をまたいだ移動を控えたり、三密を避けたりする必要があるからです。また、各地域で独自に引き続き移動制限を設けることが想定されます。
特に、これまで「事前計画などせずその日の気分でふらっとツーリングに出る」ようなスタイルだった人は、「今回のツーリングでどこまで行って、どこを訪れようか」ということを事前に計画する必要性が高まります。
飲食店や施設等に関しても、これからは来客数に制限を設けた事前予約制などに転換していく可能性があります。
「なじみの場所に立ち寄ったら、予約制になっていて中に入れなかった・・・」なんてことにならないように、事前に計画を立てるのを習慣づけておきましょう。
これからのツーリングの形はどうなる?以前と同じようにはできない?
ツーリング全般はこう変わる!
ソロ・マスツーなどツーリング全般に言えることですが、以下のような変化が起こると予想します。
バイクに乗り降りするときは、マスクの着脱や手指の消毒をすることが一般的になるでしょう。ガソリンスタンドでノズルやタッチパネルに触れる前後は、誰でも手指消毒をする光景が当たり前になるのではないでしょうか。
高速道路等の走行では、ETC利用がいままで以上に求められるようになるでしょう。現に一部の料金所では、新型コロナウイルスの影響でETC搭載車しか通行できないよう制限されています。
ツーリング中の食事では、店内飲食を避けできるだけテイクアウトを選択するのが一般的になるでしょう。具体的には、SA・PAでは店内飲食ではなくテイクアウト品を屋外で食べることが求められるようになるでしょう。
ツーリング先でのお土産購入では、現金利用は避け電子マネーを使った決済がいままで以上に求められるようになるでしょう。
ツーリング中の人との出会いでは、極力現地の人との接触を控えることが求められるようになるでしょう。ライダー同士のコミュニケーションも、ばったり出会った人にいきなり話しかけるということはやりづらくなっていくでしょう。SNSを介したデジタルコミュニケーションが主流になるのではないでしょうか。
ツーリングスポット選びは、三密を避けた場所の選択と訪問の事前確認必須が一般的になるでしょう。ライダーズカフェ巡りやラーツーなど、飲食店を中心にしたツーリングはこれまでよりも場所選びが難しくなるでしょう。
マスツーリングはこう変わる!
ツーリングが解禁されたことで、中止・延期になっていたマスツーを再企画しようとしているライダーも多いのではないでしょうか。マスツーでは、以下のような変化が起こると予想します。
ツーリング中の会話は、インカムを使ったコミュニケーションが必須になっていくでしょう。インカム無しではマスツーに参加できない、という条件を設ける企画も増えてくるでしょう。
ツーリング中の食事では、食事なしや弁当持参というプランが一般的になるでしょう。食べる際も、相対せず横並びで座るというルールも増えるでしょう。
写真撮影では、密接を避けるため集合写真撮影は避けるのが一般的になるでしょう。するとしても、バイクだけを並べた撮影や、一定距離を確保して斜めから撮影する集合写真となるでしょう。
日本全国好きな場所にツーリングに行ける日はきっとまたやってくる
以上、コロナ対策で変化するバイクライフとこれからのツーリングの形についてお伝えしてきました。これまで当たり前にやってきたかつてのツーリングをなつかしく思い、少し寂しい気持ちになってしまった人もいるかと思います。
ですが、日本全国好きな場所に、いつでも誰とでも、自由にツーリングに行ける日はきっとまたやってきます。いまはまだ長いトンネルの中かもしれませんが、その先の出口は見えているはずです。
だからいまは、来るべき日に備えながら、いまできる楽しみ方でバイクライフを送りましょう。世界全体で変化が求められている中、僕たちライダーも例外ではありません。
世の中の変化をむしろチャンスと捉えて、いまだからこそできる・試せるツーリングやバイクライフに挑戦することが大切なのかもしれません。