自分でオイル交換してみたいけどどうすればいいの? 初心者でも簡単にできるやり方を教えてほしい! ベテランライダーのオイル交換のやり方が気になる…
あなたのこんなお悩みを解決します
この記事の内容
バイクのオイル交換は、自分で簡単にできる基本的なメンテナンスの一つです。
この記事では、大型バイクYAMAHA MT-07での実例を写真で紹介しながら、オイル交換の手順と注意点を解説します。
この記事を読めば、誰でも簡単に自分でオイル交換ができるようになりますよ。
この記事の信頼性
この記事を書いている僕は、バイク歴10年超のライダーです。これまでに何度もオイル交換して身につけた、作業ノウハウや愛用している道具を公開します。正しい手順を知り、オイル交換で失敗しないようにしましょう。ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
オイル交換の頻度やタイミングなど、はじめに知っておくべき一般的な情報は以下の関連記事にまとめています。初めての人はこの記事を読んだ後でもよいので、目を通しておくのがおすすめです。
オイル交換に必要なもの
まずは、必要なものを準備しましょう。自分でバイクのオイル交換する場合、最低限以下のものが必要です。
- エンジンオイル
- 廃油ボックス
- オイルジョッキ または じょうご
- 工具・ツール
- ドレンボルト・ワッシャー
- オイルフィルター(エレメント)※
※ オイル交換2回につき一度必要
エンジンオイル
バイクの車種ごとに、必要なエンジンオイル量があらかじめ決められています。自分のバイクをWEB検索して、メーカーページやスペック詳細から規定量を確認しておきましょう!
車種によっては、バイク本体に規定量が表示されている場合もあります。
廃油ボックス
これから排出する古いオイルを処理するための専用ボックスです。絶対に、抜いたオイルをそのまま地面に流したり、不法廃棄したりしないでください。重大な環境汚染の原因となります。
また、専用ボックスをそのまま燃やすごみとして処理できる自治体もあれば、そうでない自治体もあります。自分の住んでいる地域のごみ出しルールを事前に確認しておきましょう。
オイルジョッキ または じょうご
新しいオイルをエンジン内に注ぎ入れるのに必要なものです。 オイルジョッキは、オイル交換のために専用設計された便利な道具です。
「自宅にオイルジョッキなんて置けない!」というような方は、じょうごと計量カップで代用することが可能です。じょうごと計量カップは100円ショップで簡単に手に入るので便利です。
工具・ツール
ドレンボルトを外したり締めたりするのに必要なものです。ボルトをなめてしまわないように、オープンスパナやモンキーレンチではなく、ちゃんとサイズの合ったメガネレンチやソケットレンチを使いましょう。
オイルフィルター(エレメント)も交換する場合、フィルターレンチも準備しましょう。
ドレンボルト・ワッシャー
ボルトは2回に一度、ワッシャーは毎回新品に交換しましょう。ワッシャーは、ボルトの隙間を埋めて密着させ、ゆるみ止めの役割を担っています。
交換せずに使いまわしをしていると、隙間が空いてオイル漏れの原因になります。 安価な部品なので、ケチらずにあらかじめ複数個まとめ買いしておきましょう。
オイルフィルター(エレメント)
原則として、オイル交換2回につき一度、オイルフィルターを新品に交換します。
フィルター交換をさぼっていると、エンジンの寿命を縮めることになり、エンジントラブルの原因となります。オイルフィルターは、オイルエレメントとも言います。
その他
そのほかにも、軍手やウェス、パーツクリーナーなどがあると便利です。
おすすめアイテムを紹介
ちなみに、今回のオイル交換実例にあたっては以下のものを使用しました。
僕が普段から実際に使っている、おすすめアイテムを紹介しておきますね。
作業手順の解説
オイル交換の実際の手順を大まかに分けると、以下の3つのプロセスです。
- 古いオイルを排出する(抜く)
- 新しいオイルを注ぎ入れる
- オイル量を点検する
それでは、一つずつ見ていきましょう。
①古いオイルを排出する(抜く)
いきなりオイルを抜く前に、まずはエンジンを暖気します。暖機でエンジンオイルが温まることによりオイルが柔らかくなるため、排出(抜くの)がとても楽になります。
ただし、走行直後でエンジンが熱くなっている場合や、長時間暖機をすると、オイルが熱くなり過ぎてやけどする危険がありますので、注意してください。
暖機しなくてもオイルは排出できますので、「少し温まったな」という程度で構いません。暖機する時間は、アイドリング状態で2分間~5分間程度が目安です。
作業時の気温にもよりますが、「なつふゆニーゴー(夏場2分、冬場5分)」が目安と覚えておきましょう。暖機が終了したらエンジンをオフにします。
※暖機するときは、排気音が周囲の迷惑にならないような場所で行いましょう。上記写真はイメージ写真です。
ドレンボルトを緩める前に、オイルを受ける廃油ボックスを設置しましょう。
廃油ボックスの中には吸収力の高い綿のようなものが詰められていますので、少しほぐして形を整えることで、まんべんなくオイルを受け止められるようにしましょう。
ドレンボルトを外して古いオイルを排出します。ボルトをなめないように、メガネレンチかソケットレンチを使いましょう。ボルトのサイズに合った工具を使います。
最初は工具で緩めたら、その後は手で回しながら外すようにします。
ドレンボルトを完全に外し、エンジンオイルを抜きます。ボルトを外した瞬間、勢いよくオイルが排出されてきますので、やけどや汚れに気を付けてください。
5秒間に1回、ポタリとオイルのしずくが垂れるぐらいになったら頃合いですね。不安な人は、下の写真のような状態になるまで待ちましょう。
専用工具のフィルターレンチを使って、オイルフィルターを緩めます。少し緩んだら、これも手で回しながら外していきます。
オイルフィルターからもオイルが排出されますが、すでに十分抜けているので、出てくる勢いは弱いです。
②新しいオイルを注ぎ入れる
オイルが十分に抜けきった後は、新品のドレンボルト・オイルフィルターに交換しましょう。この時、ワッシャーは毎回必ず新品にしておきましょう。
外した時と逆の手順でつけていきます。はじめは手でゆっくり回しながらはめ、最後は工具でしっかりと締めつけましょう。
注意点としては、あまりきつく締め過ぎないことです。外れた時と同じちから加減で締め付けるのがポイントです。厳密には、締め付けトルクというものが存在しますが、詳細は省きます。
新品のエンジンオイルを注ぎ入れます。車種ごとにオイル量はあらかじめ決められていますので、必ず取扱説明書やサービスマニュアルで確認したうえで入れてください。
また、オイルフィルター交換時は通常時と比べて交換オイル量が多くなりますので、注意してください。オイルを注ぐ勢いが強すぎると溢れてきてしまうので、ゆっくりと慎重に作業しましょう。
特に、準備している新品オイルが交換量とちょうど同じ場合は、こぼさないように気を付けてください
※最近では、園芸用の水差しを使うようになり、作業効率がぐんと増しました。これも百円ショップで買えますよ。
規定量の新品オイルを注ぎ入れたら、キャップを手で仮締めしましょう。
この後の点検プロセスで、また外すことになるかもしれませんので、工具をつかっての本締めは、まだ必要ありません。
③オイル量を点検する
まずはエンジンをスタートさせ、オイルをエンジン内に行き渡らせます。このとき、ボルトやフィルターの隙間から、オイルが漏れていないかどうか確認します。
オイル漏れがある場合は、すぐにエンジンをオフにします。エンジンの音などにも気を配りながら、何も異常が見られなければ、エンジンスタートから2~3分経った後にエンジンを切ります。
オイル点検窓またはオイルレベルゲージを見て、適切なオイル量になっているか点検します。このとき、バイクを水平状態(サイドスタンドを払い、バイクを立てた状態)にしたうえで、オイル量をチェックします。
サイドスタンドをかけたままでは、適正なオイル量を見ることはできませんので注意しましょう。オイルレベルが、オイル量上限(アッパー)と下限(ロウアー)の間にきていたら正しい量です。
以下の写真でわかるとおり、点検窓には上限と下限を示すラインがあるのがわかりますね。
もし下限を下回る場合は、キャップを開けて少しオイルを足し、また点検します。まだ足りない場合、適正量になるまでこれを繰り返します。もし上限を超えている場合は、逆にオイルを少しずつ抜いていく必要があります。
オイル量が適正であることを確認したら、仮締めしていたキャップを本締めしましょう。プライヤー等の工具を使って軽く締めてあげればOKです。 走行中に緩まない程度でよいので、あまり強く締め過ぎる必要はありません。
ここまでの3つのプロセスがすべて完了すれば、作業は終了です。
バイクオイル交換にかかった費用と時間
参考情報として、今回のオイル交換にかかった費用と時間を紹介しますね。
実際の費用と作業時間
今回のオイル交換にかかった費用は、フィルター交換まで含めて合計5,253円でした。時間は30分未満です。
- エンジンオイル…3015円
- オイルフィルター…1580円
- 廃油ボックス…448円
- ドレンボルト・ワッシャー…210円(130円+80円)
費用計:5,253円、作業時間:30分未満
※オイルは1Lあたりの金額×2.6Lで算出
※ドレンボルト・ワッシャーは各1個当たりの金額
※工具とじょうご・計量カップはもともと保持していたので費用には含めず
※価格はすべてオンラインショップで購入したもの
※所要時間は準備~片付けまで含む
30分未満かつ5,000円強でできる自分でのオイル交換。
これ、あなただったら高いと感じますか? 安いと感じますか?
私は、自分でオイル交換したほうが断然安くておトクだと感じます。なぜなら、ショップに持ち込む時間と費用に比べて、短時間かつ割安で作業できるからです。
オイル交換は自分でできたほうが費用も時間もお得
もちろん、作業はショップの整備士の方が早いのですが、そこまでの移動時間を含めて考えると、自分でやった方が短時間になると思います。
自宅の隣にショップがある人は別でしょうが、そんな人はなかなかいませんよね。
参考までに、ショップで作業してもらった時の費用についてもお伝えします。ショップに依頼したときは、同じオイルを使ってフィルターの交換なしで約9,000円でした。
しかも、ショップに持ち込むまでに往復1時間以上かかっているので、ショップ依頼では費用面でも時間面でも高コストなのがわかります。
このように、自分でオイル交換ができるようになると、時間もお金も節約できるようになるのです!
ちなみに、今回使用したオイルは、YAMAHA純正オイルの中でもハイグレードな高性能オイルです。
よりグレードの低いオイルを使えば費用はもう少し抑えられます。オイルの種類やグレード、選び方については以下の記事が参考になりますよ。
まとめ
以上、今回はバイクオイル交換の詳しい手順について実例を交えながら解説しました。これまで何度も自分でオイル交換をやってきた経験から言うと、
「オイル交換は、はじめての方でも自分で簡単にできる基本メンテナンス」です!
手順さえ間違えなければ、失敗することのない作業なので、バイク初心者の方にもおすすめです。そして何より、自分で愛車の面倒を見ることでバイクへの愛着が増し、ますますバイクが好きになります。
一方で、ショップに依頼した場合には「手が汚れない」「ごみの処分に困らない」などのメリットがあります。
ショップの人とコミュニケ―ションする機会になりますし、プロに見てもらうことでいち早くバイクの異常に気付くことができるかもしれません。
それぞれにメリット・デメリットがあり、絶対にこれという正解はありませんが、もしあなたが少しでも「自分のバイクと仲良くなりたい」と思うなら、自分でやってみることをおすすめします。
あなたが思っているよりも簡単ですので、この記事を参考にぜひ自分でオイル交換に挑戦してみてください!
- オイル量は事前に規定量をチェックする
- 廃油ボックスが燃やすごみに出せるかどうか事前にチェックする
- オイルフィルターとドレンボルトは2回に一度、ワッシャーは毎回交換する
- オイル排出前と注入後にエンジンをスタートさせる
- バイクを水平に保ったままでオイル量を点検する