江東区清澄で絶景都市ツーリングが楽しめると知っていましたか?
「コロナ禍の影響でロングツーリングに行けない…」
そんな首都圏ライダーのために、1~2時間あれば十分に楽しめる、とっておきのお手軽ツーリング情報を公開します!
今回の特集エリアは江東区清澄。スカイツリーの素晴らしい眺めはもちろん、隅田川沿いの絶景スポットなどを紹介します。東京都内ツーリングの魅力をたっぷりと、実走レポートとともにお届けしていきます。
エリア紹介:江東区清澄
今回紹介するのは、以下のマップで示している清澄とその周辺です。
隅田川と小名木川に面したエリアで、もともとは江戸時代に水運で発展した町でしたが、近年では、空き倉庫を活用したお洒落カフェやアートギャラリーが多い場所としても知られていますね。ちなみに、『ブルーボトルコーヒー』日本1号店はここ清澄に出店されました。
清澄公園
カフェやアートも注目ですが、清澄といえばやはり『清澄庭園』※を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。都指定名勝に指定されている美しい日本庭園で、広い空間を持つ公園も併設されています。
※緊急事態宣言中は閉鎖されている場合もあるので、事前に最新情報を確認しましょう
まずは、清澄公園を起点に、付近を散策してみることにします。家族連れが多く、憩いの場といった雰囲気ですね。
江戸の火の見櫓をイメージしてつくられた時計台が、面白い形で素敵です。園内は桜の木などが植樹されていて、和のテイストが感じられます。
セメント工業発祥の地
清澄公園のほど近くに、江東区史跡「セメント工業発祥の地」があります。日本で初めてのセメント工場があった場所で、現在でも写真のとおりコンクリート製造がされています。
規模は決して大きくないですが、東京都心部にコンクリート製造工場があるとは驚きですね。
明治8年に官営工場が設立され、明治16年に太平洋セメント株式会社の創業者『浅野総一郎』氏が払い下げを受け、以降民間工場として発展していきました。その創業者の銅像が現場にありますが、レトロ感のある衣服と相まって何だか雰囲気があります。
清澄排水機場
通りを挟んでセメント工場の向かいには、またもや大きな施設。『清澄排水機場』です。
排水機場は、大雨時の河川水位上昇を防ぐために、内部河川の水を外へ排出する働きをしています。河川の多い東京で暮らす人々の生活には欠かせないインフラ施設だそうですよ。
さて、隅田川に向かって歩みを進めている中、春を感じさせる光景に出会います。
季節は新緑の春。まだまだ寒い日もある3月ですが、確実に緑が芽吹いているようです。
隅田川テラス
続いてやって来たのは隅田川沿い。隅田川の両岸約47㎞の内、約28㎞の区間で整備されている『隅田川テラス』を散歩します。
都会では珍しい開放的な景色、遊歩道沿いに咲く季節の花など憩いの空間を楽しめますよ。
隅田川の上流側を見れば、雄大にそびえたつ『東京スカイツリー』の眺めが目の前に。隅田川にかかる多くの橋とスカイツリーのコラボ風景が味わえますよ。
隅田川大橋
隅田川大橋は、隅田川唯一の二層式の橋で、橋の上部に通るのは首都高速9号深川線。二層式の橋とスカイツリーの眺めは絶景です。
隅田川には、多くの遊覧船や屋形船が行き交います。東京都観光汽船(TOKYO CRUISE)の「ヒミコ」号が、隅田川大橋の下をくぐり抜けて行く姿を捉えました。
宇宙船のような近未来的フォルムが目を引きますが、それもそのはず。なんと、漫画界の巨匠・松本零士氏がデザインしたものだそう。その他にも、類似デザインの「ホタルナ」というクルーズ船が運航されているようで、ぜひ現地で探してみてください。
永代橋
隅田川沿いをさらに下流に進むと、見えてきたのは『永代橋』。水色の発色と雄大なアーチが美しいアーチ橋で、国の重要文化財に指定されています。
古くは江戸時代にはじまる交通の要衝で、現在の橋は、関東大震災後の復興橋梁として架橋されました。1926年に日本ではじめてスパン100 mを超えた橋かつ現存最古のタイド・アーチ橋として、昔も今も人々の暮らしを支えるすごいやつ。
そんな歴史ある橋に思いを馳せながら、ゆったりとバイクで駆け抜けていきます。ツーリングで通る際は、あなたもこの橋の意義深さを感じてみてください。
永代橋の魅力は建造物としての価値だけではありません。そこからの眺めもまた素晴らしいもの。
橋から下流の南側を見れば、月島・佃の高層マンション群が展望でき、息をのむ都市風景が広がります。
遊覧船が高層建造物の合間を縫って、隅田川を上流へとのぼっていきます。
遊覧船の行く末を目で追いかけながら反対側の上流を見ると、アーチの隙間からスカイツリーが。まるで額縁に収まる風景画のようではないですか。
永代橋の両サイドに絶景が広がる、まさに一石二鳥な絶景スポット。バイクで通り過ぎるだけでなく、ぜひ立ち止まってこの景色を味わってみてほしいですね。
清洲橋
永代橋を北上し、最後に訪れたのは『清州橋』。
震災復興事業で「帝都東京の門」と称された永代橋に対して、「震災復興の華」と呼ばれた優美なデザインの吊橋です。
これもまた重要文化財で、濃いブルーの橋が、雲一つない晴天の下で一層の存在感を放っています。バイクで橋の上を走るのが気持ちいい!
重厚で男性的な永代橋に対して、優美な下垂曲線を描く女性的なイメージの清洲橋。隅田川テラスから眺める、スカイツリーとの風景も美しいですね。
こんな感じでぶらぶらテラスを散歩しながら、最終的に清澄公園へと戻り、お手軽ツーリングを終えました。
まとめ
今回のツーリングでわかったこと。それは
- 東京都内でも手軽に絶景ツーリングが楽しめる!
- 江戸や明治に由来する歴史的建造物などが多く、その価値に簡単に触れられる!
- 混雑する時間帯と場所を避ければ、ストレスなく街中走行を楽しめる!
ということです。実際、深く下調べせず何となく清澄周辺エリアを訪れたのですが、重要文化財に2つも出会えましたし。またツーリングで訪れたのは日曜日の昼過ぎ頃でしたが、渋滞に捕まることもなく、すいすい走ることができました。
ここで紹介したコースは、首都圏在住のライダーにおすすめしたいですね。
コロナ禍で遠出やロングツーリングが難しい今だからこそ、東京都内で身近な魅力を再発見してみてはどうでしょうか?