2021年春、中国・四国の絶景道をバイクツーリングで巡る8日間の旅に出ました。山深い四国山地を走る山岳道路、雄大な太平洋や穏やかな瀬戸内海沿いを行くシーサイドラインなど、ライダーなら一度は走りたい絶景ロードの数々を巡ることができました。そんな一生忘れられない感動の連続を、デジタル一眼で撮影した高精細な写真とともにレポートしていきます。ツーリング・ドライブの企画にお役立てください。
Day6は、日本最大のカルスト台地を走る「秋吉台スカイライン」、エメラルドグリーンの海のすぐ上を走る「角島大橋」などを巡りました。
中国グルメも忘れませんよ。老舗の和菓子店やソウルフード「長崎ちゃんめん」を巡ります。
夜は島根県「みと自然の森」でキャンプ泊をしますが、このキャンプ場が大変素晴らしい場所でした。
それでは、中四国を巡る絶景ツーリング紀行、Day6のはじまり はじまり
朝の出発
新山口駅前のホテルから出発します。最上階のレストランから駅を見下ろしながら、朝食をいただきました。
秋吉台スカイライン
本日最初にやって来た絶景道は、秋吉台スカイライン。カルスト台地を貫く一本の道が素晴らしい絶景ロードです。
草原の上を滑るような起伏とカーブを描き、周囲に点在する石灰岩のすぐ横を通っていきます。
この道は絶景ロード100選に選出されています。詳しい情報は以下の関連記事からチェックできますよ。
日本最大のカルスト台地!
秋吉台カルストは、本州最西端の山口県中央部からやや西に位置する、日本最大のカルスト台地です。特別天然記念物に指定されていて、広大な大地の地下には秋芳洞、大正洞など400を超える鍾乳洞が広がっています。
石灰岩が1億年かけて南の海からやって来た!?
実はこの石灰岩、1億年の時をかけて赤道付近の南の海から運ばれてきたんです! こう聞くと、なんだか浪漫を感じませんか?
3億5千万年前にあった海底火山に積もったサンゴ礁が石灰岩になり、地球のプレート運動によって、大陸まで運ばれてきたそうです。その後、長い時を経てこうして今わたしたちの前に姿を現した石灰岩。
美しい景色もそうですが、地球の記憶に触れられるすごい場所なんですね。
秋芳洞
天然記念物にもなっている名所なので、秋芳洞に行ってみることにします。
秋芳洞の見どころの一つ、百枚皿。実際は百枚以上のお皿があるそうです。石灰分が縁のほうに溜まっていくことでこのような皿状になったようです。
もう一つの見どころは、秋芳洞の主「巌窟王(がんくつおう)」。この巌窟王、頭上の鍾乳石から垂れてくる地下水の石灰分が積もりに積もってできたそうです。
鍾乳石は500年で5センチ伸びるとされ、巌窟王は実に10万年以上の年月を経てこの大きさになったそうです。
鍾乳洞は初めての体験でしたが、中は空気がひんやりとして快適でした。年間を通じて気温は15度前後に保たれ、夏は涼しく冬は暖かいという場所だそうです。
秋芳洞エレベーター入口の駐車場。
山陰地方でよく見られる石州瓦。赤褐色やオレンジ色の瓦屋根が、周囲の景観にうまく溶け込んでいる。
角島大橋
続いてやって来た絶景道は、角島大橋。2000年の開通以降、山口県で大人気の観光名所となりました。
もちろん、ライダーやドライブ好きにも人気の高い絶景スポットです。
この道は絶景ロード100選に選出されています。詳しい情報は以下の関連記事からチェックできますよ。
「海の上を飛べたらいいな」が叶う場所
実際に走ってみると、計算された滑らかな線形や高さの低い橋脚などが相まって、まるで海の上を飛んでいるような気分を味わえました。
ちなみに、周囲の自然に溶け込むようによく考えられたデザインは、2003年に土木学会デザイン賞で優秀賞を受賞しています。
エメラルドグリーンの海と青い空が絶景
澄んだエメラルドグリーンの海と青い空が素晴らしいですね。
全長2km未満の短い距離ですが、爽快な気分を味わえましたよ。
山口県本土と角島を結ぶ離島架橋
角島住民の悲願だった道路が建設されて、角島は新たな観光名所となりました。角島にはレストランや灯台があるため、ぜひあわせて周遊するのをおすすめします。
SNSでよくみる撮影スポットです。この日も結構人が多く、SNS映えを狙った若い連中が元気に声をあげていました。定番すぎるので「正直見飽きた…」と言う人もいるほどです。
記念写真として残しておきたい人にはおすすめしますよ。詳細な撮影場所を以下に紹介しておきますね。
小休止:和菓子の名店「長崎屋」
山口県の絶景道2本を走ったところで、中国地方を東へ東へと向かいます。途中でお腹が空いてきたので、たまたま通りかかった和菓子屋に行ってみました。
何気なく入った店でしたが、実は地元でも評判の高い名店でした。
名物「柚子まんぢう」が美味!
須佐駅横の長崎屋は、ゆずまんじゅうが名物のようです。
1個80円! リーズナブルですね。
柚子まんぢうの他にもいろいろあったので、柚子まんぢうとどら焼きも注文してみます。
実際に食べてみると、素直で優しい味わいでとても美味しいです。特に柚子まんぢうは口当たりがソフトで、すっと口の中に溶けていく感じがします。これなら2、3個は軽くいけますね。
そんな感じで、店の前のベンチでぱくぱくと食べていると、「コーヒー飲む?」とお店の人(おばあちゃん)が声をかけてくれました。
嬉しいサプライズに「ぜひ」と返答すると、家庭的な味がおいしい一杯をサーブしてくれました。本当にありがたいことですね。
こうした人との出会いもまた、旅の醍醐味というものでしょう。
全国品評会で最高賞受賞!
食事後、おばあちゃんと少し話をしてみました。聞くところによると、85年以上の歴史がある老舗でした。ご子息は、萩市内で洋菓子店(パティシエ)をされているそうです。
それもあって、ショーケースには和菓子の他に洋菓子もラインナップされています。さらに、店内をじっくり見渡してみると、壁にはなんと輝かしい功績が。
昭和35年、柚子まんぢうが品評会で全国最高賞を受賞しているではないですか!
それ以来、ひたすらに柚子まんぢうの味を守り続けてきたそうです。1個80円で金賞の味が楽しめるとは、素晴らしい名店です。
柚子まんぢう、本当におすすめです。まとまったセット品も売っているので、萩の近くに来た際はぜひお買い求めを。
夕食:長崎ちゃんめん
和菓子は食べましたが、満足に昼食をとっていなかったので、本日の宿泊地へ向かう前に早めの夕食をとります。
やって来たのは、中国地方でチェーン展開している「長崎ちゃんめん」。
いわゆるちゃんぽん屋ですが、結構美味しいです。期間限定の辛味噌ちゃんぽんをオーダーしましたが、ぺろりとたいらげてしまいました。2021年5月現在、中国地方と兵庫県でしか食べられない味です。
ちなみに、ちゃんめんは店名で、メニューはいわゆるちゃんぽんなので、ちゃんめんという特別な何かが食べられるわけではありません。
宿泊地:みと自然の森キャンプ場
本日の宿泊地は島根県にある「みと自然の森キャンプ場」です。
キャンプ場までの道が狭くて、車では難儀すると思います。バイクなら問題ないですが。
緑に囲まれた林間キャンプ場
トイレと炊事場があり、基本的な設備はそろっています。サイトは小石が敷かれた地面が基本ですが、十分快適です。これでテント持参で1泊330円ですから、とても安いですね。
緑に囲まれた林間のキャンプ場といった雰囲気で、新緑が美しい場所でした。また、管理人のおじさんがとても気さくで優しくしてくれて、素敵な人でした。
翌朝はゴミ捨てもできて、かなり快適なキャンプ場です。
川のせせらぎが聞こえる落ち着いた雰囲気
サイトのすぐそばには川が流れていて、せせらぎが聞こえてくる落ち着いた雰囲気です。この日は来客少なめで、車で来ている3人組とコテージ組がいました。
コテージは離れているので、多少うるさいグループがいても、そんなに気にはならないでしょう。静かに落ち着いて過ごしたい人にはかなりオススメです。
そんな感じでまったりとソロでゆるキャンしながら、眠りにつきました。
Day6の走行距離: 280km