2020年夏、北海道の絶景をバイクで巡る9日間の旅に出ました。日本海沿いのシーサイドライン、野性味あふれる道東の道など、ライダーなら一度は走りたい絶景ロードの数々を走破。そんな感動体験を、一眼で撮影した高精細写真とともにレポートします。
Day7では、摩周湖、世界遺産「知床半島」、ライダーの聖地「開陽台」などを巡りました。
前日は霧だらけで何も見えなかった摩周湖に再訪したところ、奇跡の摩周ブルーを拝むことに成功しました! この絶景は必見ですよ。
それでは、北海道を巡る絶景ツーリング紀行、Day7のはじまり はじまり
Day7の主な旅程
朝の出発
昨日の祈りが届いたのか、天気は晴れ。なんだかいい予感がする、7日目の朝。
時間に余裕があるので、前日は濃霧でその姿を拝めなかった「霧の摩周湖」を再訪してみよう。
まだ見ぬ絶景に期待を寄せて、砂湯キャンプ場を後にした。
摩周湖
まず向かったのは、川湯公衆浴場。昔ながらの素朴な銭湯で、飾り気のないレトロな佇まいに趣がある。ここで偶然出会ったライダーから、「摩周湖は晴れていたよ」との情報を得た。
名も知らぬライダーさん、ありがとう。
「早く晴れの摩周湖が見たい」とワクワクしながら向かってみる。
幻想風景:奇跡の摩周ブルー
摩周湖の周遊道路沿いには展望のよいスポットが2つある。無料の第三展望台と、有料の第一展望台だ。
まずは第三展望台からの眺め。
「お、うをぉー!」
見た瞬間、思わず叫んでしまうほどの絶景。地上と空が反転してしまったような幻想風景は、まるで異世界そのもの。この世とは異なる場所に迷い込んでしまったような不思議な感覚に陥る。
奇跡の摩周ブルーにただただ感動する。昨日は一面の霧で何も見えなかった分、喜びもひとしおだ。
摩周湖第一展望台
幻想的な絶景に興奮さめやらぬまま、第一展望台に移動する。
ここからの眺めも素晴らしい。透明度の高い湖面に空が映り込み、神秘的な雰囲気が漂う。
カルデラ湖の周囲には垂直に切り立った火口壁が見える。神の山と呼ばれるカムイヌプリ(摩周岳)山頂から湖面までは、約500mの高さがある。神域として湖内への侵入は厳しく規制されている。
摩周湖沿いの周遊道路からは、屈斜路カルデラ内を見下ろせる。前日に見た硫黄山(アトサヌプリ)も遠望できる。
斜里
摩周湖を後にして、国道391号を北上しながら斜里町方面へと向かう。斜里町を経由して知床半島へ向かう予定だ。
大地の恵み
斜里の農村地帯を走っていると、コンバインが穀物を刈り取りしている様子が見えた。カメラを構えて写真を撮っていると、突然目の前でダイナミックなUターン!
道民の粋な計らい。写真では伝わらないかもしれないが、このコンバインとにかくデカい。北海道らしい大規模農業と大地の恵みを実感した。
斜里岳
日本百名山にも選ばれた斜里岳を平地から遠望する。写真に写る特徴的な建物は、清里焼酎醸造所。
ちなみに清里焼酎は、数ある焼酎の中でも珍しいじゃがいもでつくる焼酎だ。じゃがいも焼酎とは、何とも北海道らしい。
いっぽんの道
斜里で訪れたいツーリングスポットの一つが、いっぽんの道。オホーツク海までまっすぐに続く道と圧倒的なスケールの景色が楽しめる。
天に続く道
斜里で走っておきたいもう一つの道が、天に続く道。高低差があり、まるで天に延びていくように見える。人の手が作り出した絶景だ。
世界遺産「知床半島」
斜里町を抜けて次に向かうのが、知床半島。2005年に世界遺産に登録され、手つかずの自然が残る日本最後の秘境だ。
シーサイドライン
オホーツク海に沿って延びる国道334号。快晴の下、爽快な気分で走り抜けるシーサイドラインが気持ちいい。
澄み渡る青空とすぐ横に迫るブルーオーシャン。空と海が溶けあう絶景。夏らしい情景に心が安らぐ。
オシンコシンの滝
国道沿いの場所にあるオシンコシンの滝。途中から流れが2つに分かれていることから「双美の滝」とも呼ばれる。
滝の中ほどの高さから見上げる景色は迫力がある。夏の緑と白滝のコントラストが美しい。日本の滝100選にも選ばれている。
オロンコ岩・ゴジラ岩
知床観光船の発着馬近くにあるオロンコ岩とゴジラ岩。このあたりに住んでいた先住民族「オロッコ族」から、名がついたとされ、高さが60mもある巨岩。
日本各地にあるゴジラ岩が知床にもある。角度によっては、ゴジラに見えないこともない? いずれにせよ、奇岩であることに違いはない。
知床五胡
知床半島の先端に向かってのびる道道93号知床公園線を進むと、知床五湖フィールドハウスがある。ここから、知床五湖にアクセスできる。
五湖と名がつくとおり、一湖から五胡まで5つの湖がある。高架木道を進めば一湖湖畔まで行くことができ、知床五湖の魅力を気軽に体験できる。
木道をしばらく進むと景色が開けてくる。立ち止まって振り返ると、知床連山が見渡せる。
周囲の景観と調和した木道が心地よく、知床の大自然と一体になれる感じがして、とても爽やかな気分になる。高架木道はヒグマが近づけないようになっていて、安全に散策を楽しめる。
木道を奥まで進むと、一湖にたどり着く。湖畔からは知床連山の眺めがよく、湖面に山容が映り込む景色が素晴らしい。神秘的な絶景に心を奪われる。
知床横断道路
斜里町と羅臼町を結び、知床半島を東西に横断する国道334号の区間を、知床横断道路と呼ぶ。知床の自然を楽しめる、人気の高いドライブルートだ。
斜里側は緩やかなカーブが続くワインディングで、走りやすい道が続く。しばらく上っていくと、雄大な羅臼岳が姿を現す。
ちなみに、知床横断道路は「絶景ロード100選」に選出されている。道路情報やアクセス、見どころに関する詳細情報は以下で確認できる。
知床峠
知床連山の尾根筋を上っていくと知床横断道路の頂上、標高738mの知床峠を経由する。ここは駐車場や展望台もあり、絶好のビューポイント。
天気がよければ北方領土の国後島まで見渡せる。
羅臼岳
峠を越えた羅臼側から見る羅臼岳。日本百名山にも選ばれた山容は、知床富士とも呼ばれる。
羅臼側は打って変わって、急カーブが続く峠道となる。原生林の中を駆けながら、急峻な山道を下っていく。
中標津
知床横断道路を走り終えた後は、本日の野営地「開陽台」へと向かう。途中、中標津で放牧中の牛たちに出会った。
バイクを降りて眺めていると、牛の大群がこちらに迫ってきた。自分たちの飼い主である酪農家と勘違いさせてしまったのかもしれない。
開陽台
北海道でライダーに人気の高いキャンプ場と言えば、開陽台の名が挙がる。標高270mの丘の上からは、地平線まで見通せる360度のパノラマが楽しめる。
開陽台キャンプ場
一時期は利用マナーの悪い一部の客のせいで非公式とされていたが、いまは公式なキャンプ場として無料で利用できる。駐車場脇の小道をバイクで駆け上がっていけば、フリーサイトの側まで行ける
パノラマ展望台
太陽が沈みかけた頃、展望台からあたりを見渡す。緑のじゅうたんのように広がる牧草地帯をぐるりと展望できる。
キャンプ場のサイトは十分なスペースで、見下ろせばテントは二帳だけ。
誰にも邪魔されない静かな空気の中、夕食を自炊する。セコマで調達した食材と持参したショートパスタでつくる、お手軽キャンプ飯だ。
ちなみにこのクッカーがかなり優秀で、キャンツーに行くときはいつもこれで調理しています。 信頼・安心の国内メーカー「snow peak」製の定番品で、コスパも最高ですよ。
この旅も終盤戦。7日目も素晴らしいツーリングだった。
Day7 の走行距離 : 277km