思い出の写真や動画がすべて消えてしまった…
そんな悪夢みたいな体験をしたことはありますか?
2022年1月、僕の身にそれは起こったのです…
今回はいつものバイク関連でなく、データ管理の失敗談についてお伝えします。
全国を走り回って撮影してきた1.5万枚のツーリング写真や動画(容量1TB)が、一瞬ですべて消し飛んだ話を語ります。
正直、思い出すと今でも悲しいです。実際、年明け以降1か月以上も無気力な状態が続き、仕事にも趣味のバイクにも身が入らない日々を過ごしてきました。
しかし、何とか立ち直ることができ、今では
「こんな悲劇をこれ以上世の中に起こしてはいけない!」
と思い、僕の経験をブログに執筆することにしました。
僕の大失敗と今後の対策を参考に、写真・動画のバックアップについて考えてみましょう。
はじまり:自作PCのストレージ換装
事の発端は、自作パソコン(PC)のパーツ交換作業。Cドライブの容量(256GB)が不足していたので、1000GBの大容量SSDに換装することにしました。
最近では大容量SSDも価格が下がってきて、だいぶお求めやすくなりましたよね。
新しいパーツは、NVMeタイプのこんなものです。
マザーボードに新しいストレージを付け替えて、OS(Windows10)をクリーンインストール。ここまでは目立ったトラブルもなく、順調そのもの。
容量だけでなく、読込・書込速度もかなり向上し、大幅に性能アップ。気分上々だったのですが…
しかし、写真データを保存していた外付けハードディスク(HDD)を接続しようとしたとき、それは起きたのです…
外付けHDDが不調になりディスクエラーになる
昨日まで普通に使えていたはずの外付けHDDが、不調になってしまいました。ドライブとして認識されなくなり、PC上のエクスプローラーでファイルを見れなくなったのです。
一瞬、何が起きたのかわからず、相当焦りました。ただ、HDDが動いているのは確かなようで、ディスクに物理的な障害が起きているわけではなさそうです。
それならばと思い、ファイル復元用のフリーソフトで別ドライブにコピーしてみることにしました。
フリーソフトでファイル復元
使用したのは、一部無料で使えるDiskDiggerというフリーソフト。
無事にファイル復元できたので、一旦別ドライブにデータを移します。その後、外付けHDDを初期化・フォーマットし、再接続。
無事に接続できたので、今度は別ドライブから外付けHDDに、約1TBの大量のデータを移します。そしてこれも無事完了。
ところで、新しいOSになってアプリの設定等も途中だったため、ここで一度PCを再起動します。
トラブルはありましたが、データは消失することなく、無事に新しい環境を構築できるはず…でした。この時までは…
安堵するも束の間、悪夢は連鎖する…
いつものように起動画面でWindowsが立ち上がるのを待っていると、突如として見慣れない画面が出現。画面上には、
「ディスクのエラーを確認。○秒以内に自動的に修復します」
このような文言が表示されています。よくわからないので、下手にさわらないほうがいいかと思って放置。
結果、なにかの自動修復がスタートし、そのうちに完了しました。その後は普段通りWindowsが立ち上がりました。
しかし、エクスプローラーで外付けHDDを確認すると、フォルダとファイルが無くなっていて、何も見えません。
…
その後のことは、よく覚えていません。
あれこれ焦って操作した結果なのか、ディスクが自動修復された結果なのか、データが消失してしまったのです。
容量1TBのデータ、逝く
一眼カメラ購入後、2年間のツーリングで撮りためた1.5万枚の写真と動画が、一瞬で消し飛んでしまいました…
容量にして約1TBのデータが、すべて消失してしまったのです…
ビーナスラインに富士、伊豆など、普段の関東甲信ツーリングはもちろん、北海道から九州まで全国をロングツーリングした旅の思い出が! 僕の情熱を注いできた写真たちが! ぜんぶ消えてしまいました…
データ復旧の専門業者に依頼
万策尽きた後、専門業者にデータ復旧を依頼することにしました。データ障害の種類やファイル容量で値段が違うようですが、ざっくり見積もりで10~20万円ぐらいかかるとのこと。
中には、最大50万円と言ってくる業者もいました。
「思い出はプライスレス。大切なツーリング写真たちが戻ってくるなら…」と思い、腹をくくります。
初期調査(無料)のため、外付けHDDを梱包し専門業者へ発送。あとは無事復旧されるのを祈るばかりです。
「もしこれでもダメだったら…」などと不安がよぎり、落ち着かない日々を過ごします。仕事にも集中できず、何も手につかない状態が続きました。
その後1週間ほどして、業者からメールで連絡がありました。不安と緊張の思いで、文面に目を通します。
その結果は…
わが思ひ出、儚く散りにけり
そこに書いてあったのは、以下のような文言でした。
「復旧できなかった」との文字を見て、ふたたび意気消沈…
業者なら何とかなるかも…と抱いていたわずかな希望も打ち砕かれてしまいました。その後、放心状態がしばらく続きましたが、最終的にはこの辛い現実を受け入れることにしました。
写真が消えたとはいえ、思い出は僕の記憶にもしっかりと刻まれています。そうです、あの楽しかった経験まで失われたわけではありません。
それに、消失した撮影写真はraw画像(元ネタ)で、このブログにアップした一部のjpg画像は残っています。
ただ、未発表写真もあったので、それについては完全に消失してしまいましたが…
結局、消失した原因は?
あれこれ思いを巡らせた後、ようやく未来に向けて考えることができるようになってきました。
今回の一件で失ったものは大きいですが、「失敗するなら早いに越したことはない」と切り替えることにしました。
仮にもっと後で10年分のデータを失っていたとしたら、さらにとひどいことになっていたでしょうから。
次に、この大失敗の原因は何かと考えてみることにしました。
答えは明らかで、完全に「人的な判断ミス」。状況がよくわからないまま、中途半端な知識で対処を誤ったことにあります。
これは後で調べてわかったことですが、HDDを格納していた外付けケースの機器が故障していて、これが一連の問題を引き起こしていたようです。
そのことに気づかず、間違った対応をしてしまったのが致命的なミスでした。加えて、バックアップ体制が甘かったことも影響しています。
実はバックアップ用としてもう1台の外付けHDDを運用していたのですが、いろいろあってそれも機能していませんでした。
こうして問題を振り返り、原因もだいたいわかりました。今後、二度と同じ失敗をしないためにも、対策が必要です。
この対策については、次回の記事で紹介します。
結論:バックアップ体制はしっかり整備すべし
以上ここまで、2年分のツーリングの思い出が詰まった写真・動画データが消失した話をお伝えしてきました。
この失敗談を聞いて、
「バカだなあ…」「残念すぎる…」「自分にも何か起きるかも…」
など、いろいろな感想があるかと思います。
そんな僕から伝えたいことは、ただ一つ。
何が起きても大丈夫なように、バックアップ体制をしっかり整えること!
シンプルにこれだけです。
僕はその後、データ管理体制を見直してNASでミラーリングを運用したり、第三のバックアップ用に外付けHDDやクラウドサービスを運用したりと、ガチガチの体制を組みました。
一般個人が普通にできる範囲で、今できるかぎりの対策をとっています。
この失敗談が何かの参考になれば、僕も少し救われる気がします。
最後まで読んでくださりありがとうございます。ここで僕から、冒頭の問いをもう一度。
仮に明日、大切な写真や動画データが消失したらどうしますか? あなたは適切なバックアップ体制を実現できていますか?
この問いに対する僕の答えは、次回に続く「対策編」で紹介します。